ほっとWebHOME > 3冊の本棚 > 東大式を学ぼう

3冊の本棚

文章のプロが毎回テーマに沿って、3冊の本をセレクト。
作家という書き手の視線で選ばれた本の魅力をご紹介いたします。

中江有里さん
(なかえ・ゆり)

女優・作家。どんな性別でも否定されず、自分自身を肯定できる社会であってほしい。心からそう思うのです。
中江有里

東大式を学ぼう

 クイズ番組でインテリ枠と呼ばれる方には東京大学の出身者がいらっしゃいます。その方がおっしゃるに「クイズで正解すれば当たり前だと思われ、間違えれば笑いの種になる」。「さすが東大」と崇(あが)め「東大なのに」と笑う。それだけ東大に期待している証拠かもしれません。
 書店では「東大」の文字がタイトルに入っている本の多いこと! 子供を東大に入れる方法から東大生の読書術など、おそらく多くの人が気になっている東大。そこで「東大」から学び「東大」を学ぶ三冊を選んでみました。

 〔1〕山口輝臣(てるおみ)著『はじめての明治史』(ちくまプリマー新書・九九四円)は東京大学教養学部での連続講義「近現代史」をまとめた一冊。中には実際には行われなかったエア講義もありますが、学生の質疑応答も含めたことで臨場感ある講義を紙面に再現しています。
 ただでさえややこしい近現代を「明治史」と区切り「幕府はどうして倒れたのか」という素朴な質問から「明治はどのように終わったのか」まで、わかっているようでわかっていなかったことを学べます。
 ちなみに前者の答えのヒントになるのが「瓦解(がかい)」という言葉。幕府崩壊を語る際に渋沢栄一、勝海舟など多くの関係者が「瓦解」を使っている。つまり幕府は倒れたのではなく、自ら崩れたのではないか。目からうろこの明治史を知ることができます。


 〔2〕沖大幹(たいかん)著『東大教授』(新潮新書・七五六円)はずばり東大教授について教授自身が明かした一冊。「もし生まれ変わって人生をやり直せるとしても、できれば再び東大教授として働きたい」という著者。そんなにいい仕事ならなおさら興味がわきます。
 「非常に優秀な学生が、毎年入れ代わり立ち代わりやってくる」東大が日本の知の拠点であり続けるため、東大教授という仕事の魅力を説く著者。時に政府や企業相手に講演したり、テレビ出演もする。学術・科学技術の発展と社会のため必要だと考えているアイデアの説明・認知も東大教授の仕事の一環。東大教授の幅広い仕事と醍醐味(だいごみ)に触れれば、思わず東大教授を目指したくなるかもしれません。

 〔3〕小林寛道(かんどう)著『東大式 世界一美しく正しい歩き方』(日本文芸社・一四〇四円)は現在わたしも実践中です。ウオーキングは身近な運動ですが、自分勝手にやっては効き目がない。東大のスポーツ科学に基づく運動は高齢者も実践できます。
 人生百年時代。身近な本から東大式を学んでみませんか。
  • 『はじめての明治史』
    山口輝臣(てるおみ)
    (ちくまプリマー新書
    ・994円)

  • 『東大教授』
    沖大幹(たいかん)
    (新潮新書・756円)

  • 『東大式 世界一美しく正しい歩き方』
    小林寛道(かんどう)
    (日本文芸社・1,404円)

上へ戻る