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  • 2015年
    (平成27年)
    1月30日
    (金曜日)

    松尾貴史無責任編集東京深聞
    足立区編
    ホンモノの東京新聞はこちらから

    “北区”があるのに、23区最北端の“足立区”とは、これ如何に?

    駅名のロゴを全力で支えている、つもりらしいです。伝わりづらいなぁ…… 駅名のロゴを全力で支えている、つもりらしいです。伝わりづらいなぁ……


     

     足立区は、日本最北端の東京23区だ。いや、日本は付けんでよろしい。23区で一番北にあると素直に書けないのが私の弱点だ。どうだろう足立区。北区というものがあるのに、さらに北にあって足立区とは、「足立」にさぞや強い必然があるとみた。だが、調べてみるとその由来には諸説あるようだ。私は「葦立ち」が転訛したものだという説に説得力を感じる。後の時代になって「武蔵国足立郡」と呼ばれていた流れでそのまま決まったのだろう。
     どちらかというと、皇居から見て南西の方角に住んでいて、その周辺を右往左往している私としては、なかなかに縁遠い場所である。足を踏み入れたのは、区内のどこかで映画かドラマのロケーション撮影があって行ったのと、北千住の丸井の中に劇場があるので、知己の役者が出演している芝居を観に行くことが一度あったくらいだろうか。66万人と人口は、毎度のようにどこかの県よりも多く、近年さらに増えてきているようだ。
     
     足立区と言えば、漫才ブームの頃ビートたけしさんがビートきよしさんに「てめえ足立区だろうこの野郎!」と、話の流れとは関係なく突然シュールに突っ込んでいたのを思い出す。きよしさんが「そりゃお前だろ」と突っ込み返していたが、北野武さんはこの地の生まれだ。そういえば、敬愛する故・天野祐吉さんも足立区の生まれだった。なかなかに批評精神を感じさせるお二人である。あとは思いつかないのだが。スマイリーキクチぐらいか。
     神戸に住んでいる頃から、「足立」を認識していたのは、自動車のナンバープレートにその文字を見ていたからだろう。大学の一年生の時に、普通自動車免許を取るために通っていた西宮の兵庫県自動車学校に通っていた時、学科の教官が授業で「和泉ナンバーは気ぃつけてくだはい。初心者は近づかんように」と教えられたのだが、その時に教官が返す刀で「東京で言うたら足立ナンバーです」と、明らかに主観に基づく意見を言っていたので印象に残っている。

      今から考えると和泉のみなさんにも足立のみなさんにも失礼な話だが。陸運局の関係で、足立区でなくとも周辺の地域の車は足立ナンバーとなっているが、世田谷区の車も品川ナンバーであることと同じだ。人口が多いので世田谷ナンバーが誕生するのは喜ばしい。
    ここまで書いて、ひとつ思い出した。自称超能力者、K氏の名刺にあった、「出生地、聖地・北千住」という記述だ。この地の寿司店主の子として生まれた彼は、70年代にユリ・ゲラーなどの先輩マジシャンに影響されて「超能力少年」のひとりとしてデビューを果たした。その後、故・景山民夫さんやつのだじろうさんらに盛り立てられ、たいそう有名になってから、数度酒席を共にした。その頃なぜか複数枚名刺をもらったのだけれど、肩書が「ちょうのうりょくしゃ」とあったので、へえ、職業なのかと感心したものだ。余談だが、私がやるスプーン曲げは、彼と飲んでいるときにその実演を隣で見ていてやり方が分かったもので、パクリである。

     

     

    三種類の蕎麦を食べられる“蕎麦三昧”を満喫中の編集長。
    三種類の蕎麦を食べられる“蕎麦三昧”を満喫中の編集長。

    編集長が絶賛した“塩キャラメルプリン”。程よい塩気が、甘みを引き立たせてくれる。少しのクドさも感じられない大人のスイーツという感じです。
    編集長が絶賛した“塩キャラメルプリン”。程よい塩気が、甘みを引き立たせてくれる。少しのクドさも感じられない大人のスイーツという感じです。


    腹が減っては戦はできぬ?! 遅刻してても食べたい蕎麦がある!  
    「ちょっと行っちゃう?」と取材班を誘惑する編集長。
    「ちょっと行っちゃう?」と取材班を誘惑する編集長。


      北千住の駅前で担当君、カメラマン氏と待ち合わせる予定だったが、東京23区最北をなめていた。渋滞でどうにもならず、美味そうな蕎麦屋を移動中に検索したのでそこで待ち合わせることにした。「竹やぶ」という店の名前、どこかで聞いたことがあるどころか、21年前にわざわざ三軒茶屋から千葉県の柏市まで、同じ名前の店まで蕎麦を手繰りに行ったのだった。ご主人に聞くと、そちらの親戚筋だそうだ。
    フワフワでモチモチのそばがき。手間がかかるため、最近ではメニューにあること自体が珍しいかも。 フワフワでモチモチのそばがき。手間がかかるため、最近ではメニューにあること自体が珍しいかも。


     


     

     
     
     
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    1月30日
    (金曜日)

     柏の店は民芸風というよりはどこか「芸術」的な雰囲気でスノッブな感もあったが、こちらは土地柄もあるのか、庶民的な気軽な雰囲気もある。もっちりとして芳しい蕎麦がきで地酒を頂きながら、まだ明るいうちだったのですぐさまほろ酔い加減に。温・冷、二種類の蕎麦を平らげ、名物デザートの塩プリン(すこぶる美味し!)に驚嘆して、上機嫌で千住界隈の散策に出た。
    昼間っから蕎麦で一杯、なんて理想的な過ごし方。でも、撮影はこれからなんですが……昼間っから蕎麦で一杯、なんて理想的な過ごし方。でも、撮影はこれからなんですが……
    これでもか!というくらい“終車禁止”をアピールする駅前。たしかに、自転車停めたくなる場所でした。これでもか!というくらい“終車禁止”をアピールする駅前。たしかに、自転車停めたくなる場所でした。
    都内で唯一の水産物専門の中央卸売市場である「足立市場」にて。都内で唯一の水産物専門の中央卸売市場である「足立市場」にて。
    朝方は活気に溢れる市場も、さすがに午後は、し?んと静まり返ってます。朝方は活気に溢れる市場も、さすがに午後は、し?んと静まり返ってます。
    よく見ると部屋と部屋をつなぐ扉が見当たらない間取り図。あれ?トイレにも入れないんじゃ?よく見ると部屋と部屋をつなぐ扉が見当たらない間取り図。あれ?トイレにも入れないんじゃ?



      芭蕉の旅立ちの地から、改めて撮影スタート!
      千住大橋駅で、“千手”を表現しようと両手をパタパタする編集長。伝わらないだろうな?。
    千住大橋駅で、“千手”を表現しようと両手をパタパタする編集長。伝わらないだろうな?。

       千住大橋駅のガード下が、ちょっとしたシャッター通りの様相、そのシャッターの前にはこれでもかとしつこいばかりの「駐輪禁止」の意思表明。よほど厭な思いをされているのだろう。
     足立市場へ向かう途中、「千住宿奥の細道」と記された一角に、松尾芭蕉の石像が。ここら辺りから東北へ向けて芭蕉が俳諧の徘徊もとい、旅に出たのだろうか。歩きながら俳句をしたためる松尾芭蕉と歩きながらスマートフォンをいじる松尾貴史を並べてみた。ご先祖様すみませぬ。嘘。
     足立市場は築地に次ぐ魚河岸らしいが、もう時間が時間なので人を見かけない。食堂のおばちゃんの話し声だけが聞こえてきた。ここの看板だろうか、通りの車道際には、「ゆで豚とまぐろブツの定食950円」「うまいものはうまい」「ゆっくり食事40席」「カフェ食堂」という看板が出ていたが、カフェ食堂はカフェのようには見えなかった。うまいものはうまい、と主張する動機は何だったのか、微かに知りたい。訴求力45点。そして、魚河岸でゆっくり食事をする人はいるのだろうかという疑問も残った。敷地内の東京タワーとスカイツリーと、ずいぶん小さな富士山と4ショットで記念撮影。

    松尾芭蕉の横で一句詠む松尾貴史。手にはスマホと、現代らしくアップグレードしてます。松尾芭蕉の横で一句詠む松尾貴史。手にはスマホと、現代らしくアップグレードしてます。
    下町らしい提灯屋さんを覗いてみる。全て手書きなので、手間がかかる赤い奴は値段が高いみたい。下町らしい提灯屋さんを覗いてみる。全て手書きなので、手間がかかる赤い奴は値段が高いみたい。
       市場を離れ、下町らしい味のある提灯屋さんをのぞいたり、「◎◎教室」などの看板に難癖をつけながら歩く。不動産屋に張り出された物件の間取り図を見ていたら、奇妙なものがあった。駅から徒歩4分の2DKなのだが、片方の部屋からもう一つの部屋へ移動する手段が分からないのだ。一度外に出て窓から入るのだろうか。入り口のない部屋は、嫌だなあ。窓から入るにしても、2階、3階だったらもっと嫌だ。


    「うまいものはうまい」と言い切る看板。冷静に考えれば「当たり前だろ!」と突っ込み入れたくなりますね。
    「うまいものはうまい」と言い切る看板。冷静に考えれば「当たり前だろ!」と突っ込み入れたくなりますね。

    手作り感が満載の東京タワー&スカイツリー。よくみるとその横に富士山もありました(笑)意外とクオリティーが高いんですよ。手作り感が満載の東京タワー&スカイツリー。よくみるとその横に富士山もありました(笑)意外とクオリティーが高いんですよ。

     

     

     

     

           

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    (平成27年)
    1月30日
    (金曜日)

    駄洒落の街“北千住”で、突然はじまった編集長ジャッジ?!
      「年増¥」と書いて「としまえん」なのかな? 駄洒落の多い街は、嫌いじゃないです。
    「年増¥」と書いて「としまえん」なのかな? 駄洒落の多い街は、嫌いじゃないです。

    「中川さん」から「中川シェフ」に書き換えられた看板。たしかに、中川さん家のピザじゃ、説得力ないし…
    「中川さん」から「中川シェフ」に書き換えられた看板。たしかに、中川さん家のピザじゃ、説得力ないし…


    「ランジェリー」からの?「ランチェリー」な看板。
    「ランジェリー」からの?「ランチェリー」な看板。

     ぶらぶら歩いて、北千住に到着。
     丸井があるが、そこに劇場「THEATRE 1010」が入っている。「シアターせんじゅう」または「シアターせんじゅ」と読むのだろう。確認はしていない。つまり、洒落である。「とーきゅー」を「109」とする発想に少し似ているだろうか。渋谷区に「キッドアイラック」というホールがあったが、「喜怒哀楽」のもじりだということに10秒以上かかったことがあることを思い出す。おまけにこの「1010」は、ひっくり返すと丸井の「◯I◯I」のロゴと同じになる。偶然なのか、わざとなのか。聖地の謎は深まる。

    「1010」と「◯I◯I」は意図的に並べられたのか?それとも単なる偶然なのか?
    「1010」と「◯I◯I」は意図的に並べられたのか?それとも単なる偶然なのか?
    深聞的に雰囲気抜群の路地裏。昭和の匂いが残る雑多感が、なぜか心休まるのです。
    深聞的に雰囲気抜群の路地裏。昭和の匂いが残る雑多感が、なぜか心休まるのです。
    よくみると店名のロゴが手書きなので、ひさしと微妙に違っているのは愛嬌。
    よくみると店名のロゴが手書きなので、ひさしと微妙に違っているのは愛嬌。

      北千住駅に到着。編集長の街ブラは、むしろココからが本番!北千住駅に到着。編集長の街ブラは、むしろココからが本番!

     駅前から少し脇に逸れた裏通りには、雑然としているが妙に懐かしい昭和の雰囲気を持つ飲み屋街があるので、少し彷徨う。「さんくす」という、下手なサインのようなロゴの店があった。ひさしとシャッターの書体を、もう少し近づけられなかったのは、とは大きなお世話か。訴求力20点。「チャイナダイニング?ラーメンパーク」とは、なぜ問いかけられているのかがわからない。訴求力35点。「ホワイトリカーゴードーチュウハイ幸楽ボール」は、意味はわからないが酒を出す店なのだろうなあ。訴求力は14点だ。「年増羊」かと思ったら、一本足りない「年増\」だった。「としまえん」と読むのだろう。訴求力47点。「PUBランチェリー」はランジェリーパブとは違うのだろうか。32点。「大好評!!中川さん家の当店人気no.1ピザ」の「さん家」を消して「シェフ」に書き直している。中川さんが怒ったのか、昇格したのか。12点。
     千住宿があったことを記念しての趣のあるスペースを発見した。岩陰に、全裸の少年がその先を伺っている銅像が建っている。隠れん坊のような体勢ではあるが、それならば着衣だろう。銭湯に入っていて、何者かに襲撃されて命辛々逃げ出してきた直後という設定か。訴求力不要。
    千住宿跡地の公園で、子供の像と同じく覗き見している編集長。まるっきり不審者です。
    千住宿跡地の公園で、子供の像と同じく覗き見している編集長。まるっきり不審者です。


    女性に対する気遣いがすばらしい看板。個人的にも以降は「ふくよかサイズ」って言葉を採用しようかと。
    女性に対する気遣いがすばらしい看板。個人的にも以降は「ふくよかサイズ」って言葉を採用しようかと。

     
       

     


     



     
     
  • 2015年
    (平成27年)
    1月30日
    (金曜日)

     このあたりの商店街の多くのシャッターには、よく言えば個性豊かに、悪く言えば統一感のない作風で絵が描かれている。日光街道へ向けての風景や、所縁のある花などが描かれているものが多いが、これを愛でる時にはシャッター街になってしまっている状態で、そうなっていないことを望むのみだ。商店街も終わりに近づいたあたりに、「Lサイズの店ヤマダヤふくよかサイズ」を発見。ふくよかサイズ。何という思いやり表現だろう。訴求力90点。
    日光街道の各地の風景と、その場所に咲く花が描かれた商店街のシャッター。ほぼ全てのお店にに描かれています。東海道五十三次を意識している?
    日光街道の各地の風景と、その場所に咲く花が描かれた商店街のシャッター。ほぼ全てのお店にに描かれています。東海道五十三次を意識している?

    暮れなずむ河原で「何ですか?。この馬鹿チンが?。」物真似にしては、もはや原型も留めていないような……
    暮れなずむ河原で「何ですか?。この馬鹿チンが?。」物真似にしては、もはや原型も留めていないような……

    少し熱めの湯に浸かってリラックスし、入口近くにある懐かしい感じのマッサージ機にかかりながら一瞬眠りに落ちた。危ない危ない、飲む時間がなくなるところだった。銭湯から外に出て気がついたが、趣のある入り口の脇に、「わ」と大書きされた板が吊るしてある。裏には「ぬ」と書かれているようだ。つまり、営業中の表示を「わ板(沸いた)」準備中を「ぬ板(抜いた)」と判じ物で洒落ているのだそうな。粋だね。
     近所にある「大はし」という居酒屋の名店で牡蠣鍋、鮃の昆布締め、赤海鼠などを肴に熱燗。また、店員さんの無駄のない動きと目配に感動しつつ、酩酊。すこぶる充実した足立区から北区、いや帰宅、洒落ている。もう駄がつくほどだ。
    風呂上がりは、北千住に着たら、絶対外せない名店「大はし」へ。ここの煮込みは三大煮込みのひとつなのだとか。
    風呂上がりは、北千住に着たら、絶対外せない名店「大はし」へ。ここの煮込みは三大煮込みのひとつなのだとか。
      暮れなずむ街は、今も人情味に溢れた街

    足立区といえば“キングオブ銭湯”の「大黒湯」です。「ここに寄らずに帰れるか」とは編集長談
    足立区といえば“キングオブ銭湯”の「大黒湯」です。「ここに寄らずに帰れるか」とは編集長談

       とうとう荒川土手まで来てしまったので、暮れなずむ河原で嫌いな人のモノマネジェスチャーをしてどこかで一杯熱燗引っ掛け温まろうと後戻り。
     うろうろしている間に、東京都公衆浴場業生活衛生協同組合が発行している「1010」という雑誌があることを思い出した。そうだ、銭湯へ行こう。この地には「キングオブ銭湯」と呼ばれる「大黒湯」という銭湯がある。偶然だが。メンテナンスが楽なのでタイル画にしている富士山が多い中、ペンキ絵の富士山が有名だ。有名なのに私は知らなかったが。なぜかおもむろに土手を登り始める編集長。こんなアクティブな編集長はレアキャラなんですよ。
    なぜかおもむろに土手を登り始める編集長。こんなアクティブな編集長はレアキャラなんですよ。

    この土手の先は通称「金八ロード」と呼ばれるあの場所なのです。ちょうど高校生が自転車で通り過ぎたので、後ろ姿を失礼してパチり。
    この土手の先は通称「金八ロード」と呼ばれるあの場所なのです。ちょうど高校生が自転車で通り過ぎたので、後ろ姿を失礼してパチり。
      昭和テイストばかりを紹介してましたけど、こんなオシャレなお店もたくさんありました。
    昭和テイストばかりを紹介してましたけど、こんなオシャレなお店もたくさんありました。

    「わ板(沸いた)」で営業中を表す、洒落っ気のきいた「営業中」の札。
    「わ板(沸いた)」で営業中を表す、洒落っ気のきいた「営業中」の札。

    スポット情報

    ■千寿竹やぶ
    03-3888-5897
    東京都足立区千住河原町7-12

    ■大黒湯
    東京都足立区千住寿町32-6
    03-3881-3001
    15:00~24:00

    ■大はし(北千住)
    東京都足立区千住3-46
    03-3881-6050


     


    松尾貴史   編集長松尾貴史

    1960年神戸市生まれ。大阪芸術大学デザイン学科卒業後、研究室勤務のかたわら、ナレーターとしてデビュー。テレビ、ラジオ、映画、舞台、エッセイ、イラスト、カレー店など、分野にこだわらず活動。著書に「接客主義」「ネタになる統計データ」など。最新刊は「なぜ宇宙人は地球に来ない?笑う超常現象入門」を編み直した「超常現象・都市伝説」(PHP研究所)。


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