• 2015年
    (平成27年)
    5月27日
    (水曜日)


    武蔵野市編

    ホンモノの東京新聞はこちらから


    吉祥寺駅に降り立つ編集長。 吉祥寺駅に降り立つ編集長。
     今回からは、23区以外の地域も見て回ろうという趣向である。ということで最初は景気付けに、武蔵野市から攻めようということになった。いや、攻めるつもりも責めるつもりもないのだが。
     ある不動産業者の調査によれば、関東で一番住みたいと思われている街が武蔵野市の吉祥寺なのだそうだ。確かに、暮らしやすいし、交通の便もすこぶるい い。電車は東京駅、新宿駅、渋谷駅などに一本で行けるし、羽田や台場にはバスがある。飲食関連も、チェーン店、個人店、様々な層が厚く、デパートもライブ ハウスも劇場もある。そして公園の充実は、東京に住むに当たっては重要課題だろう。
     長い間、前進座劇場が大きな存在だっただろう、吉祥寺シアターも10年ほど気張っている様子だ。マンダラというライブハウスにも何度か行ったことがあ る。この辺りは、ミュージシャンや役者が多く住んでいるが、そういったサブカルチャーの拠点があったことも大きい魅力なのではないか。

    住みたい街ランキング1位の魅力を探る!
    駅裏の路地もこの賑わい。商店街とはちがった、楽しいお店がたくさんありそうです!

    靴屋とドラックストアが多いのは、生活する人が多い証拠らしいです。本当にたくさんありました。

     この「吉祥寺」という地名は、きっと吉祥寺という寺があるからだろうと短絡に考えていたが、実はそうではなく、文京区の本郷あたりにあった吉祥寺の門前町が火事で焼失した際、幕府は「渡りに船」と都市計画で大名屋敷にしてしまい、居場所を追われた住人をこの武蔵野東部の地に移住させたことから、人々がその地を愛着のある「吉祥寺」の名で呼んだことからこの地名になったそうだ。たまに私がやる「くしゃみ講釈」にも、家事を起こした八百屋お七の色男として「駒込吉祥寺小姓の吉左」という人物名が出てくるが、そこが元だったのだ。今から本当の寺の分院を誘致すればいい観光資源になるような気がするが、これ以上人気が出る必要はないだろうなあ。

    付近には「ジブリ美術館」もあって、見所が満載な街です。 付近には「ジブリ美術館」もあって、見所が満載な街です。

    商店街には行列ができる人気店もたくさん存在します。それにしても、スゴい人数……。 商店街には行列ができる人気店もたくさん存在します。それにしても、スゴい人数……。
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    吉祥寺の周辺は、ちょっと移動するだけで色んな景色が楽しめます。
    井の頭公園へ向かう途中で「ビリケン」さんを発見。よく見ると売り物でした。 井の頭公園へ向かう途中で「ビリケン」さんを発見。よく見ると売り物でした。

    ガチャガチャを見つけると「とりあえずやってみる」のも深聞のお約束。 ガチャガチャを見つけると「とりあえずやってみる」のも深聞のお約束。
    まだまだ尖っていたあの頃……ふぅ。
     もう十数年前になるだろうか。畏友である先輩俳優がこの近くに家を建てたとき、私がある情報番組のコメンテーターに出ている日に、その話題が取り上げら れた。その人の出世作となった役名を使って、「◎◎御殿」という呼称を使って、大仰に伝え始めた。他に伝えなければならないであろう視聴者に有益な出来事 や事柄があるだろうに、俳優が個人的に家を建てたなどということを、なぜ大幅な時間を割いてしているのだろうと、私は白けながら映像を見ていた。
     VTRの中で女性リポーターが、商店街の中で「◎◎御殿はどこでしょう」と店員に聞いて歩いている。すこぶる阿呆な絵面だ。ようやく見つけたリポーターが呼び鈴を押したら、

    フランクな人柄で有名な畏友は、寝癖そのままでのこのこ出てきて愚問インタビューに誠実に答えていた。
     スタジオに降りてきて感想を求められたので、「こんな馬鹿なリポートは見たことがありません。まず、小さな女の子がいる人の自宅を、番組さえ見ていれば 探し出せるような表現にしてしまっているのがまるでおかしい。何か事件でもあったら責任を取れるのですか!」とやや荒らげた口調になってしまったが、さら に付け加えた。
    「寝癖のまま出てきた彼は朝日が眩しそうに応えていましたよね?路面も濡れていない。どう見てもそれよりも後の時間帯に探す場面を撮りませんでしたか?雨で路面が濡れていましたよね。


    呼び鈴を押したら運良く出てきて応対してくれちゃったものだから、その前振りを後で撮って、冒頭にくっ付けましたね。見ている人を馬鹿にしすぎじゃないですか?」 番組の生放送が終わった途端に、面白いほどプロデューサーが怒っていたのが印象的だった。 もちろん、その日で番組は降ろしてもらったが、それ以来その局のレギュラーがないのは、きっと影響しているのだろうなあ。現在の柔和な私からは考えられない出来事だ。話がすこぶる長くなったが、つまり、私にとって吉祥寺はそういう思い出のある街なのであり、やはり「素敵な」ところなのだ。きっとその番組で取材に当たったスタッフも、そんな場所に家を建てて住めることに羨望を感じていたのだろうなあ。今なら呆れるだけで、何も怒りはしません。たぶん。
    ようやく街ぶら取材スタート!
     まずは駅前で待ち合わせをしたので、有名なハモニカ横丁へ。終戦直後に、焼け出された人々がこの商店街に集まってハモニカを吹きつつ慰めあったことからこの名称が定着した、というのは冗談。

    勢い勇んで突入したものの、午前中なのでお店の半分以上がシャッター閉まってました……。
    作家の亀井勝一郎が、商店が並ぶ様をハモニカの吹き口に見立てて名付けたとか。どの視点でみればそう見えたのかは確認できなかったが、いい名前だ。カウンターだけの狭小店舗のカレー店を目指すも、満席で断念。
    商店街は歩行者優先。昨今は自転車事故が多発しているので、マナー厳守が大切です!
    ハモニカ横丁に突入する編集長。いかにも「深聞」的な路地裏で、ちょっとワクワクします。
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     ダイヤ街付近をうろうろ。ここはダイヤのように見えたのだろうか。
    古い有名店「くぐつ草」で、名物のカレーをいただく。手間暇かけて炒めた玉ねぎの甘味とスパイスの香りが心地よい、初めて食べたが懐かしさを感じるカレー だった。すこぶる美しい店員さんに「くぐつ草」とはどんな草なのはを尋ねると、そんな草は無いらしい。元劇団員だったオーナーが傀儡の「くぐつ」から取っ たら
    しい。

    「くぐつ草」の看板とともに「傀儡(くぐつ)」の真似をする編集長。
    「くぐつ草」の看板とともに「傀儡(くぐつ)」の真似をする編集長。
    騙された。いや、騙す気などないだろうけれど。
     近所を歩いていると、「ムーミンスタンド」を発見。そう言えば、原作者のトーベ・ヤンソンの生誕百年で最近盛り上がっていたなあ。「ニョロニョロのたね」というタピオカ入りのドリンクを飲みたいと仄かに思ったが、行動に出なかった。そのすぐ横に、「ムーの子孫」というもんじゃ焼き屋があり、期間限定で「ムー民」にすればいいのになあと勝手なお節介。

    「ムーミンスタンド」にて、エアドリンキングする編集長。気になるなら店に入ればいいのに…… 「ムーミンスタンド」にて、エアドリンキングする編集長。気になるなら店に入ればいいのに……
    「ムーの子孫」と「ムーミンスタンド」の間で『むぅ~』っていう口をしきりに見せつける編集長……。
    「ムーの子孫」と「ムーミンスタンド」の間で『むぅ~』っていう口をしきりに見せつける編集長……。

    「居酒屋いくなら俺んち来い」と強気な看板に、強気な表情で応えるのが男!
    「居酒屋いくなら俺んち来い」と強気な看板に、強気な表情で応えるのが男!
    カップルが別れる“呪いのボート!?”を検証
     井の頭恩賜公園は2017年で開園百年を迎える名園だ。やはり百年は値打ちがある。「いのがしら」と読む人が多いのには驚くが、きっと「猪頭」のイメージなのだろう。しかし、「井」と「頭」の間に「の」が入っているのに、連濁になるはずがない。「かぶしきのがいしゃ」というようなものではないのか。みなさん、いのかしら公園、いのかしら線と呼びましょう。


     とにかくここでボートに乗るとカップルは別れるという阿呆な都市伝説がある。しかしこういう迷信は全国どこにでもある。最初のデートで行くようなところに、硬い絆で結ばれたカップルが来ている率が低いのは当たり前ではないか、などと憎まれ口を叩きながらスワンボートに乗り込んで、絶妙の舵捌きで自己満足もひとしお。
    漕ぎ出すや全力でカメラマンを引き離しにかかる編集長。必死で追いかける撮影班。

    「あれ乗る~。乗るの~!」と駄々をこねる編集長。女子高生じゃないんだから……
    「あれ乗る~。乗るの~!」と駄々をこねる編集長。女子高生じゃないんだから……

    ボートは全部で3タイプ。どうせならスワンボートが楽しそうですよね。
    ボートは全部で3タイプ。どうせならスワンボートが楽しそうですよね。

    あまりのテンションの高さに同乗するマネージャーがややヒキ気味。カップルが別れる原因のひとつが判明しました。
    あまりのテンションの高さに同乗するマネージャーがややヒキ気味。カップルが別れる原因のひとつが判明しました。

  • 2015年
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    5月27日
    (水曜日)

    行き当たりばったり?いやいや正直なだけですから
    カレーというだけで、この至福の表情。 「いせや」で一杯ひっかけようとするも……深聞では定番となった「定休日の罠」。
     明るいうちからちょいと一杯のつもりで、ならば有名な「いせや」に行ってやろうと公園の近くの店舗に立ち寄るも「本日定休」、私はなぜかこのパターンが多い。実は予習や下調べが大嫌いということがこういう結果を招くのだろう。
    と思いきや「本店は営業中」の書き込みに、歓喜の編集長!「さすが俺。もってる!」って何を? と思いきや「本店は営業中」の書き込みに、歓喜の編集長!「さすが俺。もってる!」って何を?
    ところがどっこい、執念はあるので、近所にあるもう一つの店舗に行って二階に上がり込んで、つまりは目的は達成させたのである。もちろん、何が美味いとか、何が名物とか、そんなことより、この場所でいっぱい引っ掛けるということが大切なのだ。大切?なんだそれ。

    とりあえず焼き鳥を適当に注文。仕事の後の1杯は、どうしてあんなに美味しいんでしょう?
    「擔擔麺」の文字の読み方に悩む編集長。文字というより写真の美味しさに釣られているような… 「擔擔麺」の文字の読み方に悩む編集長。文字というより写真の美味しさに釣られているような…

    正解は「だんだん麺」らしいです。。 正解は「だんだん麺」らしいです。

    なんとか無事、お目当ての「いせや」さんに到着。空いててよかった~。 なんとか無事、お目当ての「いせや」さんに到着。空いててよかった~。

    スポット情報
    ■COFFEE HALL くぐつ草
    東京都武蔵野市吉祥寺本町1-7-7 島田ビル B1F
    0422-21-8473

    ■井の頭恩賜公園
    東京都三鷹市井の頭4

    ■いせや総本店
    東京都武蔵野市御殿山1-2-1
    0422-47-1008


    編集長松尾貴史
    松尾貴史

     1960年神戸市生まれ。大阪芸術大学デザイン学科卒業後、研究室勤務のかたわら、ナレーターとしてデビュー。テレビ、ラジオ、映画、舞台、エッセイ、イラスト、カレー店など、分野にこだわらず活動。著書に「接客主義」「ネタになる統計データ」など。最新刊は「なぜ宇宙人は地球に来ない?笑う超常現象入門」を編み直した「超常現象・都市伝説」(PHP研究所)。