雑司が谷(ぞうしがや)
◆雑司ヶ谷(豊島区)
都電荒川線雑司ヶ谷・鬼子母神前下車
(鍔山英次撮影)

青物横丁マップ
 

 品川駅から京急線で3駅。青物横丁駅を下車すると、「ジュネーヴ平和通り」と名づけられた駅前通りに出る。 なぜジュネーブが青物横丁に? 答えは後ほど。
まずは駅のすぐ横、昭和7年創業のパン屋さん木村屋=電話03(3471)6285=へ。きなこパンやカレーパン、ピロシキなど、昔ながらのパンがずらっと並び、さくさくふわふわの揚げパンはなんと60円。ひっきりなしにお客さんがやってくる。
駅前から旧東海道に出て、畳松岡=電話03(3471)8060=へ。創業1779年の畳専門店だ。1915(大正4)年に建てられた店は「昔は目の前が海。風が強くて二階建ては無理だったから中二階建てになっている」という。「最近は近所に新しいマンションが増えているので、マンションのお客さんが多いですよ」と店主の松岡清隆さん=写真右下。




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 旧東海道を南下し、小さな軒先に数十種類のお菓子が並ぶ地元で人気の和菓子司鷲子=電話03(3450)8402=へ。 ほんのり赤い色がさした黄身しぐれやスズメの形のもなかなど、ちょっと変わった和菓子は「全部私が考えたものなんですよ」と 店主の笹崎修さん=同左下。和菓子は毎日店で一つずつ丁寧に手作りしている。
東海七福神の大黒天を祭る品川神社では節分祭とあいまって、雪のなか、大勢の参拝者でにぎわった=品川区北品川で(鍔山英次撮影)

平和の鐘、寺、高層ビル 新旧が交錯

 そのまま道沿いに歩くと、大きなお地蔵様が目に入ってびっくり。東海七福神の一つ、品川寺(ほんせんじ)だ。多くの参拝客でにぎわう境内に入ると、大きな 梵鐘(ぼんしょう)が。この梵鐘こそジュネーヴ平和通りの名前の由来。江戸時代に海外に搬出された後、行方不明になり、大正時代になぜかジュネーブの美術 館で発見された。事情を知ったスイス側は快く返還に応じ、以来、梵鐘は友好の懸け橋になったという。現在は品川区とジュネーブ市は友好都市となっている 。

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 ランチはジュネーヴ平和通り沿いのイタリア料理のリストランテ・コージ・コルディアーレ=電話 03(5461)3762=で。活気のある商店街の一角にあるが、店内は外の喧騒(けんそう)がうそのようなシックな雰囲気になっている。ランチコース (1700円)から、色鮮やかな前菜の盛り合わせ、地鶏もも肉の炭火焼のスープ仕立て、デザートはくりとエスプレッソのプリンを選んで舌鼓=同左下。どれ もうっとりするほどおいしい 。
ジュネーヴ平和通り抜けると街はがらりと変わって楽天やパナソニックなどのオフィスビルが立ち並ぶ。巨大なショッピングセンターの地下は、りんかい線 「品川シーサイド駅」。ピカピカの高層ビルを見上げると、すぐ近くに商店街やお寺があることがとても妙に思えてくる。青物横丁は新旧が不思議に交錯する街 だった。
(池沢なつ)

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