雑司が谷(ぞうしがや)
◆雑司ヶ谷(豊島区)
都電荒川線雑司ヶ谷・鬼子母神前下車
(鍔山英次撮影)

雑司が谷マップ
 

 不忍通りと目白通り。車の往来の激しい大通りから一歩奥に入ると、曲がりくねる道や細い坂道が入り組んだ町並みが現われる。このあたりは第二次世界大戦の空襲を免れて焼け残った場所が多く、古い建物がたくさん残っている。
白い木の壁に緑色の窓枠がかわいらしい、まるで童話にでてくるような建物は、雑司が谷旧宣教師館=電話03(3985)4081。1907(明治40)年に建てられたアメリカ人宣教師の住居が現在は豊島区立郷土資料館分館として一般公開されている。
路地を歩き、おいしそうなパンのにおいにつられて、赤丸ベーカリー= 電話03(3971)6624=へ。赤丸岩男さん、尋智さん親子=写真左下=が作るパンはどれも本当においしく、遠方から通うお客さんも多いとか。なかで も食パンはもう、絶品。ぜいたくにもふわふわの食パンを乾燥させて作ったラスクは大人気の商品。「この食パンで作るからおいしいラスクができるんですよ」 と岩男さん。レジに座る奥さんと調理パンを手伝う娘さん、家族みんな笑顔で働くすてきなパン屋さんだ 。





 閑静な住宅地の中でみつけた雑司が谷音楽堂=電話03(5960)4515=は、まるで小さな礼拝堂のようなたたずまいのコンサートホール。音楽好きの夫妻が個人でつくり上げたこだわりの空間だ。木のぬくもりのある室内は音響のよさが評判で、サロンコンサートや公開レッスンなどに使われている。音楽堂主催のコンサートは年六回ほど。「演奏者と観客の距離が近く、あたたかみのあるコンサートになるんですよ」と代表の小沢啓子さん=同(右下)。

空襲免れて…古い建物

 もう少し路地をさ迷っていたい気もするがランチは不忍通り沿いへ。気軽なフランス料理が楽しめるパマルレストラン=電話03(3945)9908=で1580円のランチコースから白レバーのムースと鴨のコンフィ=同左下=をチョイス。ボリュームはたっぷり、味は本格派で、フランスの定食屋さんにいる気分に。








 店の前の通りを西に進み、目白通りへ。道路や大学、マンションなどがすっかり整備されたこのあたりは、かつて野菜売りが歩いていたという。目白通り沿いの大正生まれの立派な木造建築の鳳山酒店=電話03(3941)2291=は、町の移り変わりの歴史を見守ってきたかのような堂々としたたたずまいだ。

 帰り道はマンションの立ち並ぶ目白通りをのんびり歩き、かつての町並みを想像しながら帰途につくのだった。(池沢なつ)


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