等々力(とどろき)
東急大井町線等々力駅下車
等々力 マップ
自然守る町の人々

 等々力渓谷は23区に唯一残る渓谷だ。住宅街に現れる緑深い谷に入ると、そこは別世界。ひんやりした空気と樹木に包まれ、まるで山奥のよう。木漏れ日に輝く谷川は、崖下の湧水を集めて緑の奥へと流れていく。

 渓谷の入り口には、翠家という豆腐店がある。「おやじがこの地に来た時、緑があまりに美しいのでつけた名です」。2代目岩田晴彦さんがはじめた豆腐も、淡い緑が美しい。青大豆の風味がよく、できた先から売れていく。「毎朝、気持ちを新たに仕事に向かえるのは、この自然を守ってきた町の人のおかげです」

 八洲の鈴もなかも、渓谷にちなんだ逸品だ。2代目の高沢勉さんが「何か町の人が喜ぶ土産菓子を」と考えていた時、渓流から鈴のような音が聞こえて創作した。種類は七つ。奇遇にも等々力不動尊近くの古墳で出土した鏡にも鈴が七つ付いていたという。「お不動さんと渓谷は一体。時に幻想的な景色を見せてくれる尊い場所です」

 町の人が定期的に行う渓谷の清掃には、パイ焼き窯で働く若い世代も参加している。玉川神社にも大木や昔ながらの祭りが残り、人と自然のつながりが深い。野毛大塚古墳に登ると、西の空から秋風に乗ってトンボがやって来た。(武居智子)

(電話)

★八洲 03(3701)3896  ★翠家(3701)0730  ★OTTO(3704)3778  ★パイ焼き窯(3702)0459

2012年9月22日(土曜日)掲載分

上記は情報が変更されている場合がございます。ご了承ください。