江北(こうほく)
◆江北(足立区)
日暮里・舎人ライナー江北駅下車

江北マップ
 

 今年3月に開業した日暮里・舎人ライナーに初めて乗り込む。小さな車両はゆりかもめに似た印象。日暮里駅から7駅目、ビル街や住宅地の間を抜け、隅田川と荒川を渡れば江北駅に到着だ。
 改札を出て左に下りるとある小さな胡録神社。鳥居に絡んだ何かを発見=写真左下。実はこれ、わらで作られた蛇。「街の保存会の人たちで、五穀豊穣(ほうじょう)を願い、毎年9月に新しいものを作って奉納しています」と江北東商店会の鈴木和男会長が教えてくれた。

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 同商店会はバス通り沿いを中心に34店舗が加盟する、地元密着型。昭和30年代に近所にできた上沼田団地には当初は風呂がなく、銭湯は数珠つなぎになるほ どにぎわったそう。「今は高齢化や後継者問題で随分店が減りました」と鈴木さん。商店会では10日まで、抽選で買い物券が当たる感謝セールを実施中。

 焼き肉の江北苑=電話03(3898)1207=は創業35年。元気なおかみ吉田和子さんは「マンションや建て売りができて新しいお客さんも増えてきた。下町の近所付き合いはお金では買えない良さ。舎人ライナーができたから活性化させたいわね」と笑顔。




古き良き下町の人情が生きる

  バス通りから住宅地に入るとフラン洋菓子店=電話03(3898)8111=が。この地で20年以上愛される“街の ケーキ屋さん”。ケーキ類はすべて200円台と驚きの安さ。店主の林田節男さんは「この値段でこの味は東京一。小さな子どもが食べられるように優しい味を 心がけています」と胸を張る=同右。裏手には近所のお年寄りでにぎわういこい湯があり、まさに「ザ・銭湯」といった風格を漂わせ。。





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 バス通りに戻り、荒川方面に向かう。ランチは小さなレストラン立花亭=電話03(3954)4468=で。常連客が多いこの店で一番人気はお重にいろんなおかずが詰まった日替わりランチ(590円、平日のみ)。月曜には手作りプリンが付くサービスも=同左。
 近くには子供服のリサイクルショップ、キッズサポート=電話03(5839)8051。ほかにも保険の無料診断やキッズルームでの英会話教室など、さまざまな面で家族をサポート。ここまで来たら、ぜひ昔ながらの風情が漂う江北仲通り商店街にも足を運びたい。

 荒川土手に太陽が沈むころ、細い路地を抜けると、どの家からともしれず煮物のにおいが。久しぶりに味わう感覚にしばしふける。江北はこんなゆうげの香りが似合う街だった。(吉田美穂)