場内の豊洲移転後も街に残る築地場外市場では、NPO築地食のまちづくり協議会の活動が盛ん。近江屋牛肉店3代目で広報部長の寺出昌弘さんは「場外は食のプロが集まる食文化の拠点。伝統と誇りを継ごうと店主たちが一枚岩で取り組んでいます」と話す。
NPOが開く案内所やセミナーは、プロの買い出し人向けの内容も充実している。昆布商吹田商店5代目で講師も務める吹田勝良さんは「客の『こんなのない?』に応えられるのは、日々の会話があってこそ。その関係を熱意ある若い料理人たちも求めています」。アナゴ仲卸の芳野分店では、客から得た調理ノウハウを次代につなごうと飲食店を開いた。場外には一般客も楽しめる仲卸が集う施設もできる予定で、ますます懐の深い街になりそうだ。(武居智子)
2015年06月27日(土曜日)掲載分
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