関口(せきぐち)
東京メトロ有楽町線・江戸川橋駅下車
関口 マップ
老舗のパンの香り

 目白や音羽に挟まれ少し知名度の低い関口だが、昔は神田上水の堰(せき)があり、早稲田の水田に臨んだ高台は、ツバキで知られる景勝地だった。今も自生の樹木や秩父山系のわき水、史跡がたくさん残っている。
 早咲きのサザンカが彩る芭蕉庵から胸突坂を上れば、もと邸宅を展示室にした講談社野間記念館。大空には関口教会の大聖堂がそびえ、椿山荘の庭を下れば改修を終えた三重塔や石仏にも出合える。
 店は少ないが、関口フランスパンはこの町ならではの老舗だ。創業は明治中期。もとはフランス人宣教師が関口教会内に職業訓練を兼ねた場として開いた。だが、第1次大戦で運営が厳しくなり、信者の高世家が引き継いだという。「当初は主に大使館やホテル、学校へ届けていたので、同窓会などの際に懐かしんで買いに来てくださる方も多いです」と4代目の高世勇一さんは目を細める。
 店の一番人気は今もフランスパン。町の味は新住人の子どもたちへと受け継がれている。

 関口教会の山本量太郎司祭は「宗教とともに伝わった文化が今も生き続けていることがすばらしいですね」と話す。秋色に染まり始めた街にパンの香ばしい匂いが広がっていた。(武居智子)

(電話)

★関口芭蕉庵 03(3941)1145  ★講談社野間記念館(3945)0947  ★照土富士(3947)1151  ★音ノ葉(3942)0108 ★ 椿山荘(3943)1111  ★関口フランスパン(3943)1665  ★東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂事務所(3941)3029  ★ドルフィン(3945)9951

2011年11月12日(土曜日)掲載分

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