本郷(ほんごう)
東京メトロ丸ノ内線、都営地下鉄大江戸線本郷三丁目駅下車
本郷 マップ
一葉の足跡訪ねて

 本郷では多くの文豪が暮らした。新学期でにぎわう東大赤門前には樋口一葉が少女時代を過ごした家があった。「『桜木の宿』と名づけ、『ゆく雲』では2階から寺の観音さまを見た情景を描いています。細かな日常が見える一葉作品は海外でも人気ですよ」と法真寺に嫁いだ米国出身の伊川レベッカさんは話す。寺では手紙などを展示し、命日の「一葉忌」には多くのファンが集う。
 一葉は24歳で亡くなるまでに十数回も住まいを転々とした。菊坂には母や妹を養うために通った質屋の蔵や井戸が残る。村越延子さんは静かな路地や木造長屋が気に入り近くにお茶とスケッチ画が楽しめる店「ひとは」を開いた。「いいかげんにおせっかいなご近所さんに日々助けられています」
 文京ふるさと歴史館には一葉の時代から老舗だった酒店、高崎屋の江戸の大店(おおだな)をしのばせる絵図が展示されていた。東大農学部前で明治以降は番頭筋が老舗の看板を守っている。「最近は学生も先生も飲まなくなったね」と9代目の渡辺泰男さんは話すが、質素倹約の家訓を守り地元商いを続ける店には客足が絶えない。
 数々の小説が紡がれた街の日常が続いていた。(武居智子)

(電話)

★わだつみのこえ記念館 03(3815)8571  ★高崎屋(3811)0833  ★法真寺(3813)8241  ★ひとは(3818)0129  ★ 文京ふるさと歴史館(3818)7221  ★もり川(3811)1819  ★東京大学総合研究博物館・「生きる形」展など(5777)8600  ★ 東京大学医学部・医学部付属病院「健康と医学の博物館」(5841)0813

2012年4月21日(土曜日)掲載分

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