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    No.37
  • 東京新聞 古河専売店

  • 東京新聞
    古河専売店
    【住所】 茨城県古河市東3-6-5
    【電話】 0280-32-9996
    所長 鈴木 庸祐さん
    終始おだやかにニコニコと笑い、どこか楽しそうに話をする鈴木さん。しかしその笑顔の裏には、一つの強い思いが隠れている。鈴木流の「恩に恩で返す」仕事術を伺った。
  • ちょうかんぬ
  • どんな相談でも聞いてくれそうな
    優しさと頼りがいを感じさせる鈴木さん。
    ここまでどんな道のりを辿ってきたのかしら。
 実をいうと、元からこの業界に興味があったわけではないんです。学生時代はボウリングが大好きで、プロボウラーを目指していた時期もありました。その夢を諦め、いくつかの職場を経験していった先で、14、5年前に落ち着いたのが新聞業界です。当初は本社で販売店サポートの仕事をしていましたが、先輩の影響を受けて販売店へと身を移し、2018年11月よりここ古河で所長を務めています。始めたばかりの頃はとにかく人手が足りなくて、わたしも他の従業員と一緒になって配達して回っていました。最近ようやくそのあたりが改善して、ほっと一息といったところですね。
 わたしが半ば流されながらもここまで来られたのは、お客様や従業員の皆さん、新聞社の方やそれ以外にも大勢いる関係者の方々に支えていただいたお陰です。ですので、その感謝の気持ちを忘れず、少しでも恩に報いるにはどうしたらよいかを日ごろから考えています。
 方法のひとつとしてコミュニケーションは特に大切で、従業員であれば一言でも話をすることで身体やメンタル面の不調が分かることもありますし、お客様の要望も会話の中で見えてくることもあります。また、色々な方と話をすることがわたし自身のアンテナにもなって、幅広い情報を得ることもできるんです。そこでまた感謝が生まれ、その感謝がどんどん循環することで良い流れができると思っています。
 他にも、作業場で音楽を流してみたり、お昼を一緒に食べたり、仕事終わりにお菓子を食べたり(笑)。心地よい労働環境は従業員ばかりでなく、彼らが接するお客様へもよい効果を生むのではないでしょうか。
  • ちょうかんぬ
  • 細やかな気配りの裏には
    ひとつの『事件』があったそうね。
 これまでも体調が悪そうなら無理をしないようにと伝えてはいたのですが、それだけでは不十分だと思い知らされたことがあります。ある時、高齢の従業員が体調を崩されたのですが、本人が大丈夫だと言うのでそのまま配達に送りだしたんです。しかし配達途中でダウンしてしまい、気付いてすぐに帰らせたものの自宅で休んでいるうちに更に悪化してしまって……。「無理はだめだよ」「帰って寝てなよ」では足りなかった、状況を判断してわたしが救急車を呼ぶなり病院に連れていくなりしなければならなかったと悔やみましたし、無事快方に向かうまで本当に気を揉みました。
 所長として働くということは、彼らの命を預かっていることに他なりません。
 言葉で思いやるのは簡単ですが、本当に自分の判断に間違いはないのか?最善の方法だろうか?と、その一件以来は「自分自身を疑う」というプロセスを踏むようになりました。自問自答をしながらも、結論はすぐに出さなくてはいけない。そのためには、普段から丁寧に周りを見ておく必要があるのかなと思います。改めて責任感を伴ったコミュニケーションの取り方を考えるようになった一件でした。
 今後は、身の回りの人たちへの恩返しに留まらず、この仕事に携わる方全てにとっても良い状況がつくれたら、と考えています。読者数が減る中、仕事に携わる方と読者のどちらにもよい環境をつくっていこうという試みを、古河市内の同業の仲間たちと始めています。
  • おおらかな鈴木さんの笑顔に加えて、従業員の皆さんからも笑い声が聞こえ、整頓の行き届いた室内と相まって明るい雰囲気。

  • 職場改善の一環として作業場ではさまざまな音楽を流している。なお「プレイヤーは自宅から持ってきました」とのこと。

  • スタッフは家族と同じという気持ちが伝わってくる集合写真、所長の人柄が築いた信頼関係の証です。

  • ちょうかんぬ
  • 街を見渡すと、蔵やレンガ造りの
    レトロな建物がたくさん。
    古河にはどんな由来があるのかしら?
 古河の歴史は古く、鎌倉時代には既に関東の中心の一つでした。古河城は古河公方の拠点で、江戸時代に入ると日光街道が市内を通ったために宿場がいくつかでき、当時はかなり賑わっていたようです。古河駅の西側の区域には今もそのころの痕跡が沢 山残っているので、歴史が好きな人なら歩いているだけでもかなり面白いと思いますよ。古い建物をリノベーションして使っているところも多く、しっとりと落ち着いた雰囲気があります。住民の方も上品な方が多いですね。
 駅の東側は街としては新しくて、若い人たちが多いエリアです。販売店のある西側とはまた違うフレッシュさが魅力だと思います。
 古河の人たちは、外から来た人にはそれなりに警戒してるのですが、インターホンを押すと出てきてくれる(笑)。
 声を掛けられると無視できない優しい人たちばかりです。そして一度気を許したら向こうから打ち解けてくれる気質があります。仕事をするにも、暮らすにもいいところです!
チョウカンヌ
東京新聞の次世代研究所で生まれたキャラクター。身も心も新聞でできていて、いろんなことに興味津々。よく「顔が広いですね(面積的に)」と言われ、自分でもそこは気に入ってる。「ユウカンヌ」という名前の妹がいる。

オススメ3大スポット

■■篆刻美術館(てんこくびじゅつかん)

  • 【住所】茨城県古河市中央町2-4-18
    【TEL】0280-22-5611
    【休館】祝日の翌日、毎月第4金曜日、年末年始

    大正9年に建造された石蔵を改修し、平成3年にオープンした日本で初めての篆刻専門の美術館。篆刻とは柔らかい石に文字を刻んで紙に押し、その出来栄えを楽しむ書道芸術のひとつで、古くから古河市民の間に根付いており、現在も小学生が学校の授業で取り組むそう。

■古河歴史博物館

  • 【住所】茨城県古河市中央町3-10-56
    【TEL】0280-22-5211
    【休館】祝日の翌日、毎月第4金曜日、年末年始

    旧古河城出城跡に開館した、古河市の歴史と文化を伝える博物館。常設展示のほか、古河や茨城県にまつわる企画展が行われています。周辺の景観を生かして設計された建物は、日本建築学会賞や公共建築賞を受賞しており、中も外も見応え充分です。

■古河公方公園

  • 【住所】茨城県古河市鴻巣399-1
    【TEL】0280-47-1129

    古河公方館跡や古河公方足利義氏墓所など公方ゆかりの史跡を含む、敷地面積25万㎡の広大な公園。3月下旬からはじまる桃祭はおよそ1500本ものさまざまな桃の花が咲きそろうことで知られていますが、初夏に見ごろを迎える蓮の花も見事です。
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