東京ほっとコラム



懐かしい街 三軒茶屋

2017/11 場所、風景(23区エリア / 世田谷区)

「エコー仲見世」このちょっと古風な名前の通りが、三軒茶屋駅前に今もある。大学進学のために初めて住んだのがこの街だ。40年以上前の三軒茶屋は路地が沢山あり、迷宮に入り込むような妖しさと懐かしさのある魅力的な街だったが、卒業とともに地元(山口県)に戻った。
 30年ぶりに合う4人の同級生と「三茶で11時ね。」たったこれこれだけの約束をした。不思議だが、誰も詳しく「三茶のどこ?」なんて聞かない。東京は街の変化が激しい。30年ぶりの三茶は随分洗練されたおしゃれな街になってはいたが、みんな迷わずに11時に会えた。おしゃれなキャロットタワーと向かい合わせに、あの「エコー仲見世」も昔のままにそこにあった。
 4人で三茶を散歩した。路地に入り込む。そのまま40年前にタイムスリップする。3本立ての映画館。妖しげな看板の飲み屋さん。新しさと懐かしさが同居する、それが三茶の最大の魅力ではないかと思う。

(山口県 角 広子)

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東京の玄関口

2015/03 場所、風景(23区エリア / 世田谷区)

東京都世田谷区玉川。東急田園都市線によって発展したこの地域は、神奈川出身の私にとっては東京の玄関口であった。
中学・高校時代、毎朝の通学電車で多摩川の川面を通り越すと、ビルの間を縫って羽田方面から注ぐ太陽がまぶしかった。太陽の反対には玉川高島屋が見える。洗練された品揃えのこのデパートは両親の憧れであり、家族で行くことは「お出かけ」であった。
「二子玉川園」と呼ばれた駅のすぐ近くには、その名の通り遊園地があって、その後パターゴルフ場やドッグランに変わっていった。期末試験なのに勉強もしないで友人とパターゴルフをした川縁は、高校生の社交場でもあった。
ここ数年で高層のオフィスビルが入り、瀟洒なショッピングセンターを抱えてすっかり洗練された「二子玉川」。だが、夏には子どもが川へ魚を取りに水槽を持つ光景も見られ、自然豊かな東京の玄関口の姿は今も変わらない。

(神奈川県 なかがわじゅん)

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緑道の顔

2014/12 場所、風景(23区エリア / 世田谷区)

 賑やかな下北沢を抜けて少し歩くと、小さな川の流れる北沢川緑道がある。朝、仕事に行くときに通ると、小さな子どもとお母さんが朝日を浴びながらにこにこ手を繋いでる。夕方、仕事帰りに通ると、お年寄り夫婦が寄り添ってゆっくりゆっくり歩いてる。夜、飲み会の帰りに通ると、若いカップルが石のベンチに腰かけて、小さな声でひそひそ語り合っている。転職したばかりで、仕事に慣れていなかった時には気づけなかった緑道の姿。いつも時間ギリギリの私に、たまには自転車を降りて歩いてみようという気にさせてくれる。


 実際に歩いてみた。寄り添う相手がいないのが少し寂しかったけど、こんなにいろんな顔があるんだなあと改めて驚かされた。もちろん、川の両端に立っている木や咲いている花や、草たちにも心を癒されたけど、緑道が作り出す人々のドラマに私はグッときてしまう。あっ。いつものおじいちゃんとおばあちゃん、今日は手を繋いでる。

(東京都 佐藤彩乃)

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私が好きな坦々麺

2013/09 味・グルメ(23区エリア / 世田谷区)

「どこ住んでるの?」と聞かれて「梅丘」と答えると、大体の人は首をかしげるか、聞いた事はあると曖昧な返答をする。
だから「知らないかもだけど小田急線の梅ヶ丘って駅で下北沢の2つ隣だよ」と早口で答える。
ちなみに駅は梅ヶ丘と書くが住所だと梅丘。名前まで曖昧。
そんなこの町にお気に入りの店がある。瑞雪という中華料理屋である。
駅から2分と近いが2階にあるため気づきにくい。ただここの広東料理がおいしい!休日のランチタイムともなればすぐにお客さんでいっぱいになる。メインのおかずにご飯やスープ、温野菜等が付くセットも美味しいが、私のおすすめは坦々麺である。麺は細麺で具は細切りチャーシューにネギとシンプルではあるが、これがまたいい。スープはどろっではなくさらっ。水を飲むのも忘れてスープまで飲み干す!あぁ、幸せ。
おひとりさまの女性でも気軽に入れて落ち着いて食事のできるお店。梅丘を訪れた時は是非。

(東京都 北原有紀)

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ぬくもりを味わう

2013/03 人(23区エリア / 世田谷区)

上京して、千歳烏山の街に降り立った私はすぐに「ここに住もう」と決心した。街を歩いているだけで、不思議なほど元気になれたからだ。
街の中心にある公園では、毎週末にフリーマーケットやお祭りが催されている。人々が集まり、まるで街全体が知り合いのよう。今の社会で忘れてはならない人々のふれあいが残る。
お休みの日は、公民館の図書館で本を借りて、「今日はどのカフェで読もう」と考えながら街を探索。探索するたびに、また新しい隠れた名店を見つけられるのも千歳烏山の魅力だろう。毎朝起きると近くの保育園から朝の合唱が始まり、爽やかな風が通り抜ける。近所の古着屋さん、美容室のお姉さん、交番のおまわりさん・・・みんなが通りに出て、「おはよう」と声をかけ合う姿に心が温まる日々。
会社で疲れた日も、大家のおばあちゃんや保育園の園長さんが「おかえり」と微笑みかけてくれた。
365日、この街は人々の優しさで包まれている。

(東京都 流石 香織)

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