メニュー

東京ほっとコラム



王子 飛鳥山公園の想い出

2013/06 場所、風景(23区エリア / 北区)

飛鳥山公園の線路沿いには色とりどりのアジサイが咲きほこり、乗客の目を楽しませてくれています。やはり雨に濡れた風情はいいものです。春は桜、梅雨時はアジサイと飛鳥山は目に優しい季節の花々を私達に届けてくれています。
飛鳥山公園は、まだ娘(名前はアスカといいます)が小さかった頃、初めて二人で出かけた処なんです。SLの前で転んでは泣き、蟻の行列を見つけては驚き、二人並んで好きなマックのポテトを食べたんです。飛鳥山の花々に目を奪われるたび、この遠い日の出来事を想い出してしまいます。
毎年毎年、いろんな人達のいろんな想い出を抱えながら、変わることなく季節の花を咲かせてゆく、そんな公園です。
アジサイを見に、そして想い出を残しに飛鳥山公園を訪れてみませんか。

(埼玉県 田苗 忠勝)


このエントリーをはてなブックマークに追加
Check

赤門、青門のある風景

2013/05 場所、風景(23区エリア / 北区)

先日、初めて岩淵水門を見に行った。荒川の流水量を調整するために作られた新(青)旧(赤)の水門だ。JR赤羽駅から東口の商店街を抜け、水門を目指す。20分程歩いて着いた荒川土手の上から目に入ってきたのは鮮やかな赤と青の水門だ。近くまで行ってみると、流水量を調整するだけあってさすがに大きい。河原では家族連れ、若者達のグループの歓声が聞こえてくる。土手の上ではサイクリングを楽しんでいる人もおり、それぞれ思い思いに楽しんでいる。私はといえば広い土手に寝転がって、読みかけの単行本を広げた。荒川、隅田川、新河岸川を抱える広い川幅で遮るものがないため風も心地よく、まだ柔らかい日差しと相俟って大らかな気分になる。見渡せば360度の視界だ。スカイツリーもくっきりと目に入る。すっかりこの場所が気に入った。次回は、途中で見かけた小山酒造で正宗でも買って一杯やるのもいいかもと、一人ほくそ笑む。

(埼玉県 田苗忠勝)


このエントリーをはてなブックマークに追加
Check

田端の「太郎湯」

2013/05 場所、風景(23区エリア / 北区)

子を思ふ「太郎湯」の名は回天の搭乗員の母が名付けし
この短歌は、5月12日に東京歌壇で岡野弘彦先生に特選をいただいたものである。
「太郎湯」は北区田端にあった。田端は私の生まれた町で、戦前は文士村、谷中根津にはかなわないが、古い東京も残っていて、小さな旅をしている人にも会う。駅を降りると目の前に文士村記念館があるが、そのまま切り通しのあいだを二三分進むと、そば屋「福寿庵」があり、その裏に「宗湯」という風呂屋がある。経営がかわってしまっているが、そこがもと「太郎湯」である。
塚本太郎は学徒として海軍にはいり、人間魚雷回天に乗って昭和二十年一月に戦死した。その母親が亡き長男を偲んで、自宅のわきに風呂屋をつくり「太郎湯」と名づけ、高い煙突を立てて「太郎湯」と息子の名を掲げたのである。
名前は消えたが、その煙突は今でも残っていて、風呂屋の裏手からわずかに見ることはできる。戦争の記憶がそこにある。

(東京都 野上卓)


このエントリーをはてなブックマークに追加
Check

ときが静かに流れてゆく地

2013/05 場所、風景(23区エリア / 北区)

JR京浜東北線上中里駅、平塚亭、滝野川警察署、これを見て分かった人は浅見光彦通だ。
そう彼は、作家内田康夫の社会派推理小説の主人公なのだ。私がこの作品を知って初めて訪ねたのが、平塚亭。
小説に登場する名物のみたらし団子を食べてみたいという単純な動機からだった。以来、休みの日にはこの地をたびたび訪れている。通勤で京浜東北線を使っているので、交通費がかからないという理由もあるが。私のお勧めのコースは、上中里駅から平塚神社を目指して坂道を上り、境内の隅にある平塚亭で団子を買い求め、王子方面に向かい飛鳥山公園で休憩するというもの。飛鳥山は言わずと知れた桜の名所、その後はアジサイが車窓から乗客の目を楽しませてくれる。王子に出ると、都電荒川線が走っている姿が目に入る。気が向いたら、この路面電車に乗って巣鴨や早稲田方面に足を延ばしてもよい。ときが静かに流れていく、懐かしさと安らぎを与えてくれるエリアだ。

(埼玉県 田苗 忠勝)


このエントリーをはてなブックマークに追加
Check

赤羽 人情 ほろり酒

2012/08 味・グルメ(23区エリア / 北区)

赤羽は不思議な魅力を漂わせる町だ。池袋、上野まですぐそばにありながら、どこか肩の力を抜かせてくれるようなくつろぎが感じられる。そんなこの町の路地裏を気ままに歩くのが好きだ。
歩き疲れれば、通りのそこここに小さな構えの酒場が「お帰り」とでも言いたげに暖簾をなびかせている。馬蹄形のカウンターには賑やかな人の会話。それもまた酒肴の一つになる。ざっくばらんな雰囲気の店に高級酒は不似合いだ。茶色いホッピーの瓶が一番なじむ。つまみも丸干し、煮込みにやっこ。カタカナのメニューが少ないのも赤羽の特徴だ。
庶民が主役の町だということを店も通りも無言で教えてくれている。東京が決して都会という一つに括れないことを証明しながら、今日も赤羽は生きている。

(群馬県 頼富雅博)


このエントリーをはてなブックマークに追加
Check

ページの先頭へ