東京ほっとコラム


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四つ木一丁目文化村

2019/01 場所、風景(23区エリア / 葛飾区)

 スカイツリー駅から京成線の鈍行で三つ目が四つ木駅です。荒川のほとり、静かで安全で文化の匂いに満ちた町、四つ木一丁目。ドームのあるマンションがふたつ。まるでフィレンツェのような風景です。
 四つ木公園には、『綴方教室』で有名な豊田正子さん顕彰の標や、『キャプテン翼』の日向小次郎像があります。また、前方後円墳に見立てられる小さな丘は葛飾一の標高三・七米。これを『四つ木富士』と命名。「千回登れば富士登山」を合言葉に、子どもたちも楽しんで登っています。四本の桜、二十本のアメリカ楓もみごと。『秋の七草苑』は、秋の七草が一か所で見られることで知られています。すべて町民が持ち寄りました。もちろん町の路地は花いっぱい。
 ノラちゃんの地域猫化の取組みも、町を上げての活動です。ころころとした猫たちが行き交う人びとをおっとりと眺めている、そんなのどかな町。東京にもこんな桃源郷が残されています。

(東京都 上野しげ)

拘置所の中に

2014/11 場所、風景(23区エリア / 葛飾区)

千代田線も北千住を過ぎ、荒川も越えると、東京の郊外地という風情が漂う。その入口に異様な存在感を放つのは東京拘置所である。車窓から見える高層の留置場は圧迫感すら感じるが、この施設の中に美しい建物が残されているのはあまり知られていない。昭和4年に建てられた管理棟は、先端的なデザインであったドイツの表現主義に影響を受けた建築であり、優れた近代建築を顕彰するドコモモ100選にも選ばれている。まことに、美しいとしかいえず、鳥が羽を広げたような造形をしており不思議な印象を受ける。拘置所であるので、普段は、高架線を走る千代田線から建物をチラリと見えるのを楽しみにしているのだが、拘置所の矯正展が年に一度あり、先日、敷地内に入り間近で見ることができた。そこには今にも飛び立ちそうな美しい建物があり、なにも解説がなかったにも関わらず参観者の注目を浴びていたのであった。長くこの場所で残ってほしいものである。

(東京都 関村啓太)

時雨西行に会いに行く

2012/05 場所、風景(23区エリア / 葛飾区)

西行といえば、まずは桜。花の下にて春死なむと詠み、その歌のままに逝った人生を見習うべく、エンディングノートを考えてはみるものの、現実には今日の悩みで手いっぱい。こんなに頑張っているのに、うまくいかない人生。どんよりした気分の毎日。どうせ私なんか、と腐っていた頃に出会ったのが時雨西行という花菖蒲でした。最寄駅は京成の堀切菖蒲園駅。ちょっと懐かしい商店街の雰囲気を楽しみながらブラブラ歩いて、堀切菖蒲園まで矢印を辿ります。おススメは晴天よりも曇り空の日。けっして派手ではないけれど、背筋を伸ばして咲いている花の美しさが際立って見えます。長唄の時雨西行からの命名かと思いをはせつつ、この花のように滅入らないで私も咲こうと…。他にも酔美人、堀切の夢、業平など凝った名前が付いているので、お気に入りの花を見つけては?6月初め~が見頃だそうです。アヤメと菖蒲の違いを知りたい方も、ぜひどうぞ。入場無料です。

(東京都 滝 とも子)

水元公園の紅葉

2011/11 場所、風景(23区エリア / 葛飾区)

水元公園は都内23区で最大の公園です。徳川吉宗の時代に旧利根川による洪水から江戸の町を守るための遊水地として作られ、灌漑用水の水源としても利用されたことから「水元」の名が残りました。
約三百年後、豊かな水と木々と自然の生き物による広々とした公園になっています。私は四季折々ここを訪れ、水辺や林を散策し、カワセミやカイツムリの番いを観察できる「かわせみの里」、公園の歴史や水彩画等が展示されている「グリーンプラザ」に寄り、「中央広場」でお弁当を食べます。
三年前、私はここで家内に小さなプレゼントを渡しました。家内は離婚したばかり、私は会社を退職し離婚調停中の身で将来のことは何も決めていませんでしたが、家内はそのプレゼントを大変喜んでくれました。
秋が深まった今、紅葉も素晴らしい水元公園です。

(東京都 児玉俊史)


2011/12/07掲載

美しい旋律が聞こえてきそうな風景

2011/02 場所、風景(23区エリア / 葛飾区)

葛飾区の西端に位置する四ツ木地域。この地域の荒川沿いに、東四ツ木避難橋という歩行者専用橋がある。この橋を渡った先にある荒川の中土手から見えるのは、雄大な自然ならぬ雄大な都心の風景。建設中の東京スカイツリーも東京タワーも東京都庁も、天気がよければ富士山まで一望できるのだ。
オススメは晴れた日の夕暮れ時。夕焼けのグラデーションに彩られた空を背景にすると、その美しさは倍増する。
もしこの場所を訪れる機会があるならば、1つ知っておいてほしいことがある。それは、首都高にかかるかつしかハープ橋と対岸で東京スカイツリーと並ぶすみだ清掃工場の煙突の存在。かつしかハープ橋は文字通りハープを、煙突は縦笛を、両者は偶然にも楽器をモチーフに建てられているのだ。それを知って美しい風景を眺めると、まるで空から心地よい音楽が流れてきそう。目の前の荒川のゆったりとした流れが、また絶妙なリズムを生んでくれるのである。

(東京都 大澤範之)


2011/04/06掲載

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