東京ほっとコラム



台東ぶらぶら煮込み七変化

2015/05 味・グルメ(23区エリア / 台東区)

 上野を起点にあてもなく台東界隈をぶらぶらするのが好きだ。アメ横界隈は朝7時台から立ち飲み屋が営業中。朝から親父たちのメッカだ。彼らの定番は煮込み。入る店によってこってりからあっさりまで。豚モツもあれば馬肉を入れたものもあって煮込みだけのはしごも愉しい。酔い覚ましに区役所を越して歩いていけば浅草が見えてくる。ここまで来ればホッピー通りを素通りできない。そしてまたここでも煮込み一丁。同じ煮込みでも浅草は上野よりも牛の店が多い。これはこれでまた佳し。自然とホッピーのテンポも上る。
 こうなると騎虎の勢い、飲兵衛の意地汚さが顔を出し、再び酔い心地のまま未知なる煮込みを求めて元浅草、末広町、下谷辺りを迷い歩く。本日のトリとなったのは岩倉高校近くの韓国酒場。出てきた煮込みは本場の唐辛子でオレンジ。その中で牛スジと白い豆腐が仲良く混浴。辛さで一日の酔いが醒めた。本日、打ち止め。

(群馬県 頼富雅博)


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裏上野

2015/01 場所、風景(23区エリア / 台東区)

 裏上野は私が勝手につけた呼び名。上野駅から賑やかなアメ横、御徒町を抜けた一帯を何時の頃からかそう呼んでいる。この辺りは
凡そ上野の持つゴムまりのような躍動は鳴りをひそめ、呼び込みの声もあまりない。そのおかげで駅前を歩いている時の高揚感をゆっくりと醒ましてくれる。高架沿いに並ぶ店もどことなくのんびりしていて大人しい。隣客に気遣いをする必要もなく、忘我の境に入ってゆっくりとホッピーを楽しめる。名店を気取る店もない代わりに敷居も低い。上野一帯では珍しいエリアだとしみじみ思う。
 この裏上野に遊ぶ時はその後も忘我の余韻を楽しむために駅方向へは戻らず、左方向に抜け、三組坂に向けた裏道をのんびり散策するのが定番だ。喧騒とは無縁の道をのんびり歩き、湯島天神で一息つく。若い頃はアメ横で仲間と騒ぎ、余勢を駆って浅草までという無茶もやったが、五十を迎えた今は専らこの裏上野をゆっくりと楽しんでいる。

(群馬県 頼富雅博)


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上野

2013/06 場所、風景(23区エリア / 台東区)

勤務先が上野にあり、昼休みに上野公園をよく散歩する。
この公園は動物園あり博物館ありで、全国から修学旅行や社会見学の子供たちが集まってくる。
制服に真っ白な新しいシューズの男の子たちのグループや、リュックにキャラクターの人形をぶら下げた女の子たちのグループなどをよく見かける。公園の入り口で、さあこれからどこへ行こうか、何を見ようかと、ニコニコして歩いている。
「みんな気をつけてね」と通りすがりのおじさんである私は心の中で呟く。
「親御さんはご心配でしょう、だからみんな無事に楽しんできてください、どうか上野を、そして東京を楽しんでいってください」、おじさんの呟きはいつも同じである。
公園を歩く彼らの顔は、楽しさと嬉しさでいっぱいだ。上野はこんな笑顔が一年中見られる街である。

(東京都 角田 裕司)


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〝想い出〟訪問

2012/10 その他(23区エリア / 台東区)

浅草の外れに昔から続く小さな駄菓子屋さんがあります。
「こんにちは」と声をかけると、奥のガラス戸を開けて小柄なお婆ちゃんが現れます。
この店には鉄板を乗せた小さな台があって、ここで「もんじゃ焼き」を食べることができます。子供相手だからか、大通りの小洒落た店で千円くらいはボッタくられるものが、400円、500円程度で食べられます。もっとも、小麦粉に細かく切ったキャベツ、鰹節、それにお婆ちゃん特製のタレだけですので、その程度の値段なのかもしれません。少し味に変化を付けたいと思えば、店にあるベビースターラーメンや梅ジャムなどの駄菓子を追加すれば、バラエティに富んだ味を楽しむこともできます。
昔は子供たちの溜まり場だったのですが、今では〝昔は〟子供たちがお婆ちゃんと昔話を楽しむために集まっているようです。こんな町の片隅にある〝想い出〟を訪れてみませんか。

(東京都 秋野一洋)


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路地裏のにおい

2012/08 場所、風景(23区エリア / 台東区)

田原町の路地裏は、とてもノスタルジックです。
駅前は賑やかですが、少し路地を曲がるとそこは急に音のない世界。
スナックの横には幼稚園、もんじゃ焼きの2階はマッサージ店、新築マンションの前には木造の旅館など、面白い組み合わせがパズルのようにひしめいています。
私のお気に入りは、駅前の郵便局を通過して右に曲がり、まっすぐ直進して行くと合羽橋通りに出る道です。
晴れの日や雨の日、いつ歩いても心穏やかになる不思議な場所。
小さい頃遊んだゴム跳びや、鬼ごっこをしていた時に感じた匂いが、まだそこに存在しているようで、自然と笑顔になります。
大通りはお店がたくさんあって魅力的ですが、是非カメラ片手に路地裏を歩いてみて下さい。
懐かしい匂いの発見ができるかもしれません。

(千葉県 内広さくら)


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