東京ほっとコラム



住宅地を空中散歩

2013/08 場所、風景(23区エリア / 足立区)

日暮里駅から日暮里・舎人ライナーに乗車すること約7分、眼下に荒川を臨む足立小台駅に到着する。当駅から隣の扇大橋駅に向かうには、その荒川と首都高速中央環状線を跨ぐ必要があり、全線高架線の日暮里・舎人ライナーの中でも、一際高い位置を走ることになる。列車が高速道路を跨ぐ瞬間、私がオススメする景色が車窓一杯に広がる。
進行方向である舎人方面には、点在する緑地や電波塔をアクセントに、低層の住宅地が地平線の奥まで連なっている。一方の日暮里方面には、高層マンションや大型店舗が立ち並び、その奥には東京スカイツリーが一際高く聳えている。
観光地とは一味違った日常生活が根付いた住宅地を、空から俯瞰するというのも乙なものである。

(東京都 岩崎勇気)


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都電荒川線で感じた優しい時間

2013/07 その他(23区エリア / 荒川区)

上京して6年間、電車通勤が嫌だった。人の話し声が嫌で、常にイヤホンを耳につけていた。だけどそんな私が、都電荒川線に乗り始めて、“電車に乗ることがこんなにも幸せなんだ”ということを知った。その日は雨の平日。ゆっくりと街の中を走っていく小さなチンチン電車に心地よく雨のあたる音が響いている。そんな音が優しくて、私は始発駅から終着駅までの約1時間、イヤホンをはずしたままだった。我先に乗り降りする乗客たちとは違い、高齢者には席を譲り、声を掛け合う。また偶然だったのだろうか、友人と出会い、笑顔で言葉をかける姿…。下町の江戸情緒というのはよくわからないけれども、少し前の時代にタイムスリップしたような気持ちになった。せわしなく過ごしていた東京の時間が、初めて優しく感じられた。まだまだ私は東京について何も知らないのだ、そう改めて感じた。

(千葉県 藤本聡子)


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上野

2013/06 場所、風景(23区エリア / 台東区)

勤務先が上野にあり、昼休みに上野公園をよく散歩する。
この公園は動物園あり博物館ありで、全国から修学旅行や社会見学の子供たちが集まってくる。
制服に真っ白な新しいシューズの男の子たちのグループや、リュックにキャラクターの人形をぶら下げた女の子たちのグループなどをよく見かける。公園の入り口で、さあこれからどこへ行こうか、何を見ようかと、ニコニコして歩いている。
「みんな気をつけてね」と通りすがりのおじさんである私は心の中で呟く。
「親御さんはご心配でしょう、だからみんな無事に楽しんできてください、どうか上野を、そして東京を楽しんでいってください」、おじさんの呟きはいつも同じである。
公園を歩く彼らの顔は、楽しさと嬉しさでいっぱいだ。上野はこんな笑顔が一年中見られる街である。

(東京都 角田 裕司)


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電脳街の人情

2013/06 レジャー・観光、名所(23区エリア / 千代田区)

大学2年生の時に、勢い余って始めた秋葉原のメイド喫茶でのアルバイト。
メイド喫茶の人間関係はドロドロ、なんてコントを見ていたせいか、バイトを始めてすぐの頃は想像以上に温かく下町気質なアキバのメイド文化に拍子抜けした記憶がある。例えば、他店のメイドと外ですれ違った時は「お疲れ様でーす。」と声を掛け合う。中央通りを注意して歩くと、違う制服のメイド同士が挨拶を交わしながらすれ違って行くのが分かる。同じアキバで働く仲間意識がそうさせるのか、時にはフィギュアショップや居酒屋の店員までもが労いの言葉を掛け合う光景は、考えてみれば少し不思議な感じである。
アキバ系、メイド喫茶。ここ何年かで急激に浸透したとは言え、まだ少し受け入れがたいかもしれない。けれど、そこには人々の純粋な「好き」があり、ドラマもあり、他の文化と寸分違わず確かに血が通っているのである。秋葉原という街が、改めて気付かせてくれた。

(千葉県 福地 可南子)


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王子 飛鳥山公園の想い出

2013/06 場所、風景(23区エリア / 北区)

飛鳥山公園の線路沿いには色とりどりのアジサイが咲きほこり、乗客の目を楽しませてくれています。やはり雨に濡れた風情はいいものです。春は桜、梅雨時はアジサイと飛鳥山は目に優しい季節の花々を私達に届けてくれています。
飛鳥山公園は、まだ娘(名前はアスカといいます)が小さかった頃、初めて二人で出かけた処なんです。SLの前で転んでは泣き、蟻の行列を見つけては驚き、二人並んで好きなマックのポテトを食べたんです。飛鳥山の花々に目を奪われるたび、この遠い日の出来事を想い出してしまいます。
毎年毎年、いろんな人達のいろんな想い出を抱えながら、変わることなく季節の花を咲かせてゆく、そんな公園です。
アジサイを見に、そして想い出を残しに飛鳥山公園を訪れてみませんか。

(埼玉県 田苗 忠勝)


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