今月の街先案内人

今回のゲストは元格闘家の須藤元気さん。俳優、ミュージシャン、作家、書道家とマルチに活躍する須藤さんが、生まれ育った街「東陽町」の魅力を伝えてくれます。下町ならではの、心温かいエピソードも満載。誰もが知りたかった、あの疑問も解決?!

世界を見据えたとき、まずは日本を知りたくなった

 日本の総合格闘技ブームを牽引した、リング上の「トリックスター」と呼ばれた元格闘家の須藤元気さん。人気絶頂で、まさに最盛期を迎えたと思われるなか、突然の引退。そしてミュージシャンへの転身は、業界に震撼を与えました。さらに、俳優や作家、さらには書家としてまで活躍するマルチな才能は底が見えません…。

そんな須藤さんに、なぜ突如、格闘家を引退されたのか、単刀直入に伺いました。
「僕のなかでは、それほど突然でもないんです。小さい頃から、格闘家とミュージシャンという2つの夢を持っていました。そこで、まずは格闘家になろうと。そして、ある程度は実績を残せたことと、当時の格闘技ブームで、業界が膨れ上がりすぎて、なんだか先が見え始めた気がしたんです。それなので、もう1つの夢であるミュージシャンをやってやろう!と」


つまり、計画的だったのですね。
「それほど緻密な計画ではないですけどね(笑)」
では、今は、何を一番やりたいのでしょうか?
「好きなのは“書”ですね。とにかく夢中になれる。無心になれるというのかな」
どうして、“書”に興味を惹かれたのですか?
「世界進出というか、世界を見据えたときに、自分の武器は何だろう?と考えたのがきっかけです。そのとき、日本人であることを武器にしたいのに、その日本について、本当に深く知っているのか?と思ったんです。日本らしさというものを考えていたとき、弘法大師・空海の書に出会いました。そこからどんどん、書の魅力に惹かれていって現在に至ると」

「贔屓なしに美味しいですよ(笑)」
学生時代、部活やバイトの後には、今回のインタビュー場所である父親のお店でよく食事をされたのだそう。「贔屓なしに美味しいですよ(笑)」
現在もちょくちょく実家や、お店に顔を出されるようで、お父様とも息のあった会話をされていました。
現在もちょくちょく実家や、お店に顔を出されるようで、お父様とも息のあった会話をされていました。仲の良い親子関係、羨ましいですね。

“ 地元 ”という響きって、いかにも居心地がよさそうでしょ?

 実は、今回のインタビューは、須藤さんの父親が経営されている東陽町の居酒屋「磯幸 支店」で行わせていただきました。
「自分にとって地元というものは、とても大切なものなんです。いつ戻ってきても家族がいる。仲間がいる。“ 帰る場所 ” があるって幸せなことですよね」
須藤さんは、生まれも育ちも江東区は東陽町という生粋の下町っ子。
「ここは、僕にとって自分の根幹ともいうべき存在です。人生で多感な時期の思い出は、すべてこの街と共にありますから」
何か印象深い思い出ってありますか?
「う?ん。思い出そうとすると、他愛もないことばかりですね。この辺りは、自転車で移動することが多いんですよ。だから小さい頃は、新木場あたりに釣り竿担いでいって、釣りしてましたね。それに、中高生の頃は上野、渋谷、新宿と、遊ぶ街は増えましたけど、結局地元の仲間と東陽町の外に出かけても、東陽町に帰ってくることになりますからね。


そういう日常の積み重ねが今の自分を形成しているわけです」
確かに地元の仲間が、残っているというのは都会ならではですね。
「下町育ちの人は、引っ越す先も下町が多いんですよ。人と繋がっているのが当たり前で育っているから、山の手だと落ち着かないのかも」
この落ち着くという言葉が、実は今回のキーワードなのだそう。

「僕は、精神的な安定があってこそ、実力が発揮できるものだと思っているんです。だから“書”が好きだし、地元で好きな場所も図書館とか、静かな場所が多いです。今はレスリングの監督もしているんですが、僕の一番の役割は、選手や学生のメンタル面のケアだと思っています。というと恰好いいんですけど、実態は飲み会要員という噂もあったりましす(笑)」

現役時代にランニングコースとして毎日訪れていた木場公園
現役時代にランニングコースとして毎日訪れていた木場公園。「しょっちゅう来てるから懐かしくはないけど、落ち着きますね」
いつもは走っていた景色も、のんびり歩くと違って見えますか?
いつもは走っていた景色も、のんびり歩くと違って見えますか?「別に変わらないですよ(笑)でも、この公園、広いしキレイで好きなんです」

この後、撮影を終えた須藤さんは、ご家族と一緒に食事に行かれるのだそう。まさに“ 帰る場所 ”があることの素晴らしさを体現していると感じさせれられる取材でした。

写真:ボクダ茂

 
須藤元気
Myprofile
須藤元気(すどう・げんき)

1978年3月8日生まれ  東京都江東区出身。
高校時代からレスリングを始め、全日本ジュニアオリンピックで優勝。世界ジュニア選手権日本代表。拓殖短期大学卒業後に渡米し、格闘家としての修行を続け、帰国後に逆輸入ファイターとしてプロデビュー。UFC-J 王者を経て、K-1 やUFCなどで活躍。2006年現役引退。以降は作家、タレント、俳優、ミュージシャン等幅広く活躍。2008年、母校拓殖大学レスリング部監督に就任。2年目で大会4冠を達成し、最優秀監督賞を5度受賞している。
Information

【公式HP】
http://genkisudo.net/

【Album】
WORLD ORDER
3rdアルバム「HAVE A NICE DAY」

2014年12月17日発売。2013年6月に公開された「IMPERALISM」から、AKB48とのコラボで話題となった「HAVE A NICE DAY」に加え、新作「INFORMAL EMPIRE」までを収録。

バカでも資産1億円

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