今月の街先案内人

今回のゲストはミュージシャンのナオト・インティライミさん。2010年にメジャーデビューを果たして以来、日本の音楽シーンで唯一無二の存在感を示し続けるナオトさんに、世界一周40カ国以上を旅してきた“旅人”としての原点にも関わる六本木の街を紹介していただきました。

夢を追いかけるきっかけとなった“運命の出会い”たち

 かつての夢はJリーガーだった。柏レイソルのJrユースに所属し、プロのサッカー選手への道も見え始めていたにも関わらず、もう一つの夢であるミュージシャンという夢を追いかけたナオト・インティライミさん。
 ミュージシャンとしてデビュー5周年を迎えた2015年、春からオンエアされている東京新聞のテレビCMに、オリジナルのイメージソングを書き下ろしていただきました。そんな大活躍中のナオトさんにに突撃インタビューを敢行し、ずばり音楽を始めたきっかけを伺います。

「僕が音楽に目覚めたのは、中学2年生の頃。当時、柏レイソルJr.ユースのチームメイトがギターをやっていて、それを見せつけてきたんです。なんか恰好良く見えて、素直に羨ましかったから『どうやって弾くんだ?ちょっと貸してよ』と、その場でそいつにかぶりつきました(笑)。その後、自分も速攻でギターを購入。絶対、俺の方が上手くなってやる!って。」


 音楽に目覚めたとき、特定のバンドや誰かのカバーをしたりしたのでしょうか?

「コピーバンドから始める人って多いじゃない
ですか。でも、僕はそういうのに興味はなかったかな。ギター始めて1か月後には、オリジナルソング作ってましたもの」

 中学生にして、すでにミュージシャンの片鱗が見えていたんですね。とはいえ、音楽で食べていこうと決心したのはいつ頃でしょうか?

「実は運命の出会いがあったんです。高校で進路相談の機会がありますよね?そのとき担任に、音楽で生活していきたいけど、やっぱり無理ですかね?みたいなことをいったら、『人生は何があるかわからないだろ? 道の先に大きな壁が見えていたとしても、間近まで行ったら自動ドアが付いていて、すんなり通れるってこともあるかも知れない。まずは壁まで辿り着いてみろ!』って(笑)。

「人生において“出会い”こそが、一番の財産だ」と語るナオトさん。旅に出る理由は、そこにあるのですね。
「人生において“出会い”こそが、一番の財産だ」と語るナオトさん。旅に出る理由は、そこにあるのですね。
音楽を通して、言葉が通じなくても心が通じ合う。そんな瞬間を求めて、これからもナオトさんの旅は続きます。
音楽を通して、言葉が通じなくても心が通じ合う。そんな瞬間を求めて、これからもナオトさんの旅は続きます。

普通なら『現実を見なさい』って反対するところでしょ。その先生は、教員になって初めて生徒をもったばかりの新任の方で、自分が夢を叶えた直後だったからか、とにかく生徒の夢を決して笑わず、応援してくれました。その後押しがなかったら、ミュージシャンになるという夢は、追い続けられなかったと思います。まさに僕にとって恩師という存在です」

音楽は万国共通のコミュニケーションツール。

 学生時代から世界各国を回っている旅人としてのイメージも強いナオトさんですが、海外で言葉の壁は感じなかったのですか?

「感じた部分と感じない部分がありましたね。僕は大体、ノリで乗り切るタイプなんですけど、そのとき役立つのが音楽なんです。音楽は万国共通っていうのかな。特に未開拓な場所ほど、音楽と生活は密着しているんです。そういう種族は儀式のとき、必ずリズムをとっているでしょ? だから、音楽を通じて色んな人たちと仲良くはなれました。でも、言葉が通じたら、もっと深く知り合えたのに……って思うことも多いんです」

その反省を踏まえ、特別に英会話の勉強はされたのですか?

「英会話教室に通う代わりに、週に3〜4日ほど六本木の街に繰り出していましたね。ここは、外国の人がとても多いのが特徴ですから。誰かれ構わず、外国の人に話しかけちゃうという、『ひたすら実践あるのみ!』という感じでした。」

 道行く人に話しかけるんですか?

「さすがにそれはないですよ(笑)。

ちゃんと話しかけても不自然じゃない場所に行ってました。クラブやソウルバー、パブがメインですね。特に外国人が多く集まる店というのは、キャッシュオンの所が多いから長居がしやすいんです。始めに1杯だけドリンクを買って、それをチビチビと飲みながら、お店にいるお客さんに男女問わず絡み続ける。ドリンクが空にならない限り、お店からおかわりの催促もないので、胸を張ってお店に居られるでしょ。」

急に話しかけるといっても、どんなことを話したらいいんでしょう?
「どこからきたの?をきっかけに相手のことを聞く。自分のことを話す。そうやってコミュニケーションを深めるのに必要な英語を身につけました。だから僕の会話は、典型的な旅英語ですね」


「六本木はお金をかけて遊ぶこともできるし、お金をかけないで遊ぶこともできるんです」と裏道を探索するナオトさん。
「六本木はお金をかけて遊ぶこともできるし、お金をかけないで遊ぶこともできるんです」と裏道を探索するナオトさん。
夜は騒がしいイメージの六本木も、昼間は人通りも少なく意外と静か。「やっぱり昼間歩くと、雰囲気違うよね」
夜は騒がしいイメージの六本木も、昼間は人通りも少なく意外と静か。「やっぱり昼間歩くと、雰囲気違うよね」
 旅人としての対人スキルを磨いた六本木の街は、ある意味ナオト・インティライミさんの根幹を作り上げた街なのかも知れませんね。

「僕にとって六本木は“パスポートの要らない海外旅行”という楽しみ方ができる街なんです」

写真:ボクダ茂

 
ナオト・インティライミ
Myprofile
ナオト・インティライミ

三重県生まれ、千葉県育ち。世界一周40カ国以上を旅し、各地でLIVEを行い、世界の音楽と文化を体感。『インティ ライミ』とは南米インカの言葉で『太陽の祭り』を意味する。2010年メジャーデビュー。2013年リリース3rd Album「風歌キャラバン」でオリコンチャート1位を獲得し、NHK「紅白歌合戦」に初出場。2015年は記念すべきデビュー5周年イヤー!
4月15日リリースのNew Single「いつかきっと」を皮切りに怒涛のアニバーサリーイヤーがスタート。
Information

4/15(水)に15th single「いつかきっと/てのひら」がリリース。
「てのひら」は、東京新聞のCMソングとして、完全オリジナルで書き下ろしたものです。