今月の街先案内人

今回のゲストは俳優の川﨑麻世さん。歌手としてデビューし、アイドルとして人気を博したのちは、国内外の一流舞台に出演するなど、本格派の俳優として活躍されています。今回はジャニーズ時代の思い出話も含めて、街の魅力を語っていただきました。

僕にとって"第二の故郷"といえる街。それが麻布十番です。

 ジャニーズ事務所からアイドルとしてデビューした川﨑さん。現在は舞台を中心とした実力派俳優として活躍されていますが、その芸能活動の拠点は麻布十番にあったのだそう。
「当時のジャニーズ事務所は、若手はみんな合宿所住まい。その合宿所が麻布十番にありました。途中で原宿に移転しちゃいましたけど、20歳の頃にひとり暮らしを始めた場所も麻布十番です」

 そもそも、この業界に入ったきっかけは何だったのでしょう?
「読売テレビの『パクパクコンテスト』に合格して番組に出演したことです。そのあとジャニーさんにスカウトされたので、それが一番のきっかけといえるかな? でも当時から大阪では素人にも関わらずアイドル雑誌なんかに載せていただいていましたから、いろいろな要因が重なって今に繋がっているんです。大阪にいたときから、僕は平尾昌晃さんのミュージックスクールにも通っていましたし…。
その東京校が麻布十番にあって、平尾先生と一緒にジャニーさんに初めてお会いしたのも麻布十番でした。そう考えると、麻布十番は僕が本格的に芸能生活を始めたスタート地点ともいえますね。」

 この街での印象的な思い出はどんなことがありますか?
「いろいろあり過ぎて難しいですね(笑)。でも、僕が一人暮らしを始めた当時、隣のマンションに志村けんさんが住まわれていて、よくかわいがっていただきました。しょっちゅう一緒に飲み歩いてましたし、志村さんが焼酎片手に僕の部屋にこられることもありましたよ。
商店街の人たちとも、家族のようにお付き合いしていたので、みんなの応援があったから、デビュー前後の厳しい時期も乗り越えられた。使い古された言葉かもしれないけど、まさに僕にとっては麻布十番が第二の故郷なんです。」

舞台ならではの演魅を語る川﨑さん
舞台ならではの演魅を語る川﨑さん。撮影時は、次回作「クリスマスキャロル」の直前ということもあり、ほどよい緊張感に包まれていました。
全く同じものは二度とできない。舞台は毎回が真剣勝負なんです
「全く同じものは二度とできない。舞台は毎回が真剣勝負なんです」そう語る川﨑さんの目は、すでに本番と同じような熱意を秘めています。

NGが許されない緊張感。それが舞台の楽しさなんです。

 舞台俳優として確固たる地位を築き上げた川﨑さん。歌唱力を必要とされるミュージカルもこなすなど、その表現の幅広さには定評があります。俳優という職業に向きあう中で、どんなことを心がけていらっしゃるのでしょう?
「僕は、いわゆる役柄を作り込んでから本番に望むタイプです。川﨑麻世としては言えないこと、やらないことでも、役柄で求められたことなら自然に振る舞わなければいけません。だから僕は、台本や脚本に書いていなくても、その役柄の生い立ちなども考えてアプローチしているんです。
 それと、舞台ならではの演技というものも意識しています。例えば、映画やドラマのようにカメラを前に演技をするのであれば目線の動きだけで表現できることでも、舞台では瞳の動きなんて見えないですよね。だからあえて振り向くわけです。発声にしても、マイクで声を拾ってくれない舞台では、滑舌よく声を届けなければいけない。
 要は、舞台ではオーバーアクトといわれる過剰な演技が必要とされるんです。とはいえ、わざとらしく見えては駄目でしょ? その微妙な境界線を探るのが楽しいんです。
 あと、楽しみということでいえば、舞台ならではの緊張感も好きかな。お客さんを前に演じるわけですから、NGは許されない。毎回が一発本番です。そんな緊張感のなかでロングランを行うと、メンバーに団結力はものすごいものになるんですよ。そんな仲間たちと一緒に居られるってことは、とても幸せな環境なんだと感じますね。」

 この記事が掲載される頃は、主演ミュージカル「クリスマス・キャロル」が全国ツアーの真っ最中だと思います。その作品への意気込みをお聞かせください。
「ケチで冷酷なスクルージが、クリスマスイブに不思議な体験をして、改心するというディケンズの有名なお話しです。
本当なら川島なお美ちゃんも出演するはずだった舞台。残念ながら一緒に出演はできませんでしたけど、彼女のこの作品に対する気持ちも一緒に背負って、みんなで頑張っています。世界一有名なクリスマスストーリーを、ぜひ劇場でお楽しみください。」

馴染みのお店「月島屋」のご主人と川﨑麻世さん
もはや家族同然のつきあいをされていた馴染みのお店「月島屋」のご主人と。撮影中に「久しぶり?」と、お互いの再会を喜ばれていました。
麻布十番の商店街を探索する川﨑麻世さん。
商店街を探索する川﨑さん。「お店が残っているというだけでなく、街の空気というか雰囲気が当時と変わりないのは嬉しいですね」

写真:ボクダ茂

 
川﨑麻世
Myprofile
川﨑麻世(かわさき・まよ)

昭和52年に歌手としてデビューを果たし、その後も俳優としてもTV舞台に活躍。
1983年に劇団四季の「CATS」出演を 皮切りに数多くのミュージカルに出演。
特に舞台俳優としての実力を着実に重ねている。
Information

■舞台
ミュージカル『クリスマス・キャロル』
主役のスクルージ役で全国ツアー展開中。
各公演日程は下記をご参照ください。
http://christmascarol2015.suisei-m.jp/information

チケットのお問合せは
mayoneko.ms-company@wit.ocn.ne.jp

■CD
『無条件』<カップリング WHY>

徳間ジャパンコミュニケーションズ
税込¥1,300  TKCA-90714

『無条件』PV
http://youtu.be/iGCOKXNQZPk

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