今月の街先案内人

今回のゲストはギタリストのマーティ・フリードマンさん。全世界で人気を博したメタルバンドのギタリストでもあった彼が、次のステージとして選んだ活動の場は、異国の地である日本。そんな日本好きなマーティさんに、新宿の魅力を語っていただきました。

“邦楽”は「日本らしさ」が詰まった素晴らしい文化。

世界的な人気バンドのギタリストでもあったマーティ・フリードマンさん。いまや日本のお茶の間でも“やたら邦楽に詳しい外国人キャラ”として、その存在は浸透しています。
 世界的なバンドのメンバーでありながら、異国の地で新たな活動にチャレンジされたきっかけを伺いました。

「最初に邦楽に触れたのはハワイに住んでいた10代の頃。ハワイは日系の人が多いから、日本の音楽を流すラジオ局があるんです。そこで流れていた演歌を聞いて、音楽のジャンルとしてよりも、その音に感銘を受けました。
 とくに“こぶし”と呼ばれる独特な歌い方。まさに感情が表現されていて、それをギターで再現できないものかと必死に練習したんです。当時、ギターをやっている人はジェフ・ベックやクラプトンなんかに影響を受けている人がほとんどだったんですけど、僕はもっぱら八代亜紀さんや石川さゆりさん(笑)
演歌に限らず、邦楽の凄いところは、歌謡曲という独特のジャンルというかメロディーがあるところだと思います。
 J-POPやビジュアル系、アイドル系や和製R&Bなど色々なジャンルがありますよね?でも実は、根っこには歌謡曲のしっかりしたメロディーラインがあるんです。それをアレンジやサウンドで別ジャンルとして成立させている。いい意味で音楽的にブレているんです(笑)。

 米国はジャンル分けが厳しくて、ロックならロック、パンクならパンクだけ。例えばR&Bの人がメタルをやったら『アホか?」という目で見られますよ。そんな環境で音楽をやっていた僕にとって、邦楽の自由

J-POPの魅力について熱く語るマーティさん。バンドを脱退したあと、自分が邦楽しか聞いていないことに気づいて、来日を決心したのだそう。
新宿に移住する時、最初の問題は不動産だったそう。「外国人OKの物件って、家賃が極端に高いところか、ボロボロかの二択なんですよ(笑)」
さは魅力的でした。実際に、一時期は邦楽しか聞いていない頃があったんです。車の中でも、家に居ても流れているのは邦楽。それで、自分がやりたい音楽は邦楽なんだと気づきました。でも、米国で邦楽を作るってどうなの?やるなら本場の日本に行くしかないでしょ!ということで、日本に移住したんです。」

外国人からみても「格好いい街」。それが新宿なんです。

──日本に移るにあたって、不安なことはなかったのですか?
「一番心配したのは言葉です。独学で覚えた僕のつたない日本語でやっていけるのか?そういう不安もあったので、一度下見にきました。
 ところが、実際に新宿に訪れたとき、外国人の多さや街並みをみたら、あれ?楽勝じゃん!って(笑)。」

──新宿に決めた理由は何だったのでしょう?

「新宿のホテルに泊まっていたとき、ふと目が覚めて窓を覗いてみたら、通りを女性が一人で歩いているのが見えました。ちなみに朝の4時位です。米国じゃ考えられません。こんな安全な街って、世界的にみてもほとんどないと思います。それも新宿を選んだ理由のひとつです。

 とはいえ、実際に引っ越してくるときは、不動産で苦労しましたね。そもそも外国人OKの物件が少ないんです。あったとしても、まるで野球選手が住むような立派なところか、真逆のボロボロな所のどっちか。両極端で中間がない。
 僕は野球選手な部屋に決めました。アテもなく来日したから、仕事も決まっていないのに(笑)。日本語的にいえば「腹をくくるしかない」状況でした。

これぞ“日本”という景色が最高じゃん? 日本は、都会のなかにも静寂な空間があるから、来日したばかりのときは、とてもびっくりしました。
マーティさんが作曲活動をしているとき、製作中のデモ音源を聞くこのは、もっぱら静かな公園や神社を散歩しているときなのだそう。
繁華街にビジネス街、公園、住宅地と、ちょっと歩くだけで街の顔色がコロコロ変わるのは、日本ならでの風景。「夜道も安全って凄いよね!」

衣装協力:SITIGMATA
──外国の方にとって新宿は住みやすい街ですか?

「めちゃくちゃ住みやすい。さっきもいった通り、とにかく安全でしょ?だから、安心して冒険ができる。それに外国文化に対しての偏見が少ないので、一見すると外国人が入りづらいようなお店でも、入ってみると簡単に溶け込めちゃう。だから、来日した人は、どんどん色んな処へいってみて欲しいと思います。
 それに、やっぱり新宿の街は“格好いい”んですよ。僕はミーハーなので、単純に新宿の格好よさが大好きなんです。外国の友だちが来ると、映画のワンシーンのような景色を観て「格好いい街だね」って、感動しているもん。何年住んでいても、全然飽きないですね。」

──今後の活動についてお聞かせください。

「今年はソロでワールドツアーを行ったんですけど、来年はよりグローバルな活動を考えています。日本で成長した僕の音楽を、より多くの人に聞いてもらいたい。そして、僕を通して世界の人たちが日本に興味をもってもらえたら嬉しいですよね。そのためにも、次のアルバム制作に全力を尽くします!ぜひ楽しみにしていてください。」

写真:ボクダ茂

 
マーティ・フリードマン
Myprofile
Marty Friedman(マーティ・フリードマン)

世界中に熱狂的なファンを持つ、アメリカのギタリスト。2004年に活動の拠点をアメリカから日本・東京へと移し、現在はギタリスト・作曲家・プロデューサーだけに留まらず、テレビ・ラジオ・CM・映画など様々な角度でマルチアーティストとして活動している。
Information
■対談:マーティ・フリードマン×茂木健一郎「ジャンルを超えろ!」


天賦の才をもつ世界的ギタリスト、マーティ・フリードマンが独自の観点でマルチに活躍する脳科学者、茂木健一郎さんを相手に熱いトークセッション! 二人の脳内には何があるのか? テーマは「ジャンルを超えろ!」 音楽談義に留まらず、原点と未来、まさに予測不能なボーダレストークバトル!! 「脳」を探求するプロを相手に、どんなGrooveを巻き起こすのか?
開催日時:2016年1月19日(火)19:00?
会  場:新宿ReNY(レニー) 03-5990-5561
     東京都新宿区西新宿6-5-1アイランドホール2F
お問合せ:朝日カルチャーセンター
     03?3344?1948
     https://www.asahiculture.jp
マーティ・フリードマン×茂木健一郎「ジャンルを超えろ!」