「育児をしない男を、父とは呼ばない」。厚生労働省は十数年前、こう呼びかけましたが掛け声倒れに終わっていないでしょうか。「イクメン」という言葉こそ浸透してきたものの、父親が育児の主役という家庭はいまも少数派のようです。そこで「東京新聞にダメ出し会議」では「イクメン編」を企画しました。子育てに頑張る父親の皆さんの声に耳を澄ませます。


チョウカンヌ

紙ならではの出会いがある

──新聞読みますか?

太島
 結婚前から妻が購読していた東京新聞を継続している。庶民、弱者、マイノリティーに目を向け、権力にこびない姿勢が大好き。授業の教材として扱うために、生徒に読ませたい記事を切り抜いている。
佐久間
 子どもが生まれて、テレビを見ない生活に。ネットでパソコン画面に目が向くのも抵抗感があった。でも新聞なら目の端で必ず子どもが見られる。専業主夫なので、家計のことを考え一番安い新聞を探したら東京新聞だった。
菊池
 求人関係の仕事をしており、雇用問題などに関するニュースは会社のメールで流れてくる。ネットで事足りちゃう。実家は購読しているが、折り込み広告が重要という感じ。
堀込
 ぱらぱらめくっているうちに、偶然、自分は興味ないと思っていたのに面白いことを見つける手段として、紙媒体の役割は大きいと思っている。


チョウカンヌ

人との共通点見いだす

──育児とメディア

佐久間
 おむつはどこのメーカーがいいか、授乳は何時間おきかを知りたいと育児書も読んだけど、先輩から学ぶのが一番。生活面で男性の子育てやスーパー主夫のコラムがあるけど、人は人、我は我かな。
堀込
 僕は人の意見やメディアでいくつか情報を仕入れて共通点を見いだして、自分で納得してやってみる。男性の育児については、もっと当たり前のこととして取り上げてほしい。
太島
 フィンランドには「イクメン」に類する言葉はないと本で読んだ。男性が育児に参加するのが日常なので、ニュースにもならないらしい。
菊池
 でも、数だけ見たらやっぱり特別なのかな、という気が。女性管理職が話題になるのと同じように。その女性からしたら「私は普通に働いているだけ」っていう感覚だと思う。


チョウカンヌ

子どもに作らせたら?


──こんな記事なら

菊池
 子どもの医療費や保育料は自治体によって違う。都内に引っ越したら、保育料が安くてびっくりした。行政サービスを比較するような記事があれば、子育て世代にとってはいい。
太島
 成功した一握りの人のすごい話より、普段は日の目が当たらないけれどいきいきと生きている人たちを紹介してほしい。そんな姿は人間の生き方として充実しているし、子どもに読ませたい記事。
堀込
 そうそう。さまざまなライフスタイルがあっていいんだよ、という部分を発信してほしい。
佐久間
 生き方の多様性を見せる記事は、社会部、政治部などさまざまな部署がある新聞が得意なはず。あと、子ども向けの記事はあるが、大人目線からの「子ども向け」になっている。いっそ、子どもに作らせてみては。それをできる度量があるのは東京新聞ぐらいじゃないか。

小形佳奈(おがた・かな)

 「ママ記者」と呼ばれるのには抵抗感がある。だから、イクメンという言葉を嫌がる参加者の気持ちはよくわかった。一人一人の特別な生き方を、一つの言葉でくくってしまうことなどできない。たくさんの人の素顔に迫る記事を書き続けていくため、言葉の持つ意味について深く考えた。

小形佳奈(おがた・かな) 宮城県出身。高校3年女子と小学5年男子の母。社会部したまち支局。42歳

石井紀代美(いしい・きよみ)

 「本当に子どもに読ませたいなら、子どもに作らせたら」。斬新な提案に戸惑った。「取材への同行や記事の書き方を教えるのは大変そう」「そもそもどの面で?」と。でも、消極的な姿勢では、新しいことに挑戦できない。乗り越えるべき最初のハードルは、自分たちの心だと思う。

石井紀代美(いしい・きよみ) 秋田県出身。よく名前から女性と間違えられるが、保育園児の娘2人の父。社会部。35歳

この記事は、2015年4月12日 東京新聞に掲載されたものです。

チョウカンヌ

「チョウカンヌ」プロフィール

東京新聞の次世代研究所で生まれたキャラクター。身も心も新聞でできていて、いろんなことに興味津々。よく「顔が広いですね(面積的に)」と言われ、自分でもそこは気に入っている。夢は東京新聞の公式キャラクター。「ユウカンヌ」という名前の妹がいる。

次回のダメ出し会議は

「東京で活動する外国人編」をお届けするわ。