首都圏で暮らす外国人は、東京の地元紙にどうあってほしいと思っているのでしょうか。もっと愛される新聞をつくるため、東京新聞の若手社員がさまざまな人たちの意見を聞く「東京新聞にダメ出し会議」の二回目は外国人編です。米国、中国、ウクライナ、アフリカ・ギニア出身の五人に集まってもらいました。


チョウカンヌ

ギニアでは読む人はかっこいい

──新聞読んでますか?

サンコン
 日本に来て35年間、ずっと英字新聞を取っている。朝起きて紙の新聞を読むのが習慣。世の中で何が起きているか、まず知りたい。ギニアでは昔に比べて識字率が上がり、新聞が人気。読んでるとかっこいい、インテリだと受け取られるよ。
ヨンコン
 僕は新聞は全く読まない。でも、ニュースは好きなので、毎朝スマホのアプリでチェックしてる。
パウロ
 新聞はインターネットで。農業ビジネスとか、自分と関係あるニュースが中心。出身地は大きな街じゃないので、新聞は昼ごろ家に届いていた。
ジェイソン
 私も新聞はネットで読む。ネットの方が更新が早いからね。米国でも多くの人が、紙からネットに移っている。
蘇敏
 日本に来たころ、日本語の勉強のために半年間、新聞を取った。今はスマホのアプリで。中国でも若者はネットが多い。


──気になることは?

蘇敏
 驚いたのが天気予報。紙面上の扱いが大きい。中国では「晴れ」とか一行くらい。天気図は何のために載っているのか分からない(笑)
サンコン
 海外のニュースが少なすぎる印象ね。
ヨンコン
 紙面のサイズが大きくて、電車の中で読めない。
パウロ
 ウクライナでも日本の朝刊くらいの大きさが多かったけど、最近はタブロイド判ほどの新聞も増えた。
ジェイソン
 カラーが多く、レイアウトがナイス!
蘇敏
 記事の言葉遣いに「えっ」と思うことがある。日本でテロ事件と報道されたニュースが英国や中国ではテロとはなっていなかった。「死傷者」という言い方も違和感がある。負傷者が死亡した人と同じように感じられ、事件が実際より大きく見えてしまう。
サンコン
 日本の新聞はすぐ年齢を書くね。プライバシーに立ち入りすぎている。


チョウカンヌ

東京にもっと密着して


──読まれるために

蘇敏
 東京新聞だから、もっと東京のイベントや文化が載ってたらいいな。
サンコン
 読む人の生活とか人生にもっと密着し、関係した方が、自然に手に取って読みたくなる新聞になると思う。私は市民活動に一番関心がある。市民に根差したニュースを書いて。
ジェイソン
 米国の新聞は通信社の配信する記事が多くて、どこも差がない印象。東京新聞は、独自な紙面をつくるため、同じ話題でも、違う角度から書き続けてほしい。
パウロ
 ウクライナ関係のニュースで、日本の報道がロシア寄りだと思うことがある。さまざまな意見を聞いて伝えることが大事。
ヨンコン
 新聞の大きさが雑誌くらいなら読むかな。
サンコン
 どうやって若い世代に読んでもらうか、新聞社も手探り状態なんですね。新聞は文化。なくなるのはお祭りをなくすのと一緒だと思うよ。

各国の新聞の信頼度

 蘇敏さんは「中国では新聞への信頼度は年齢によって違う」と話す。政府の主張に沿った報道が多い印象といい、「ネットにはさまざまな意見がある。若者はどちらかというと新聞を疑う」。サンコンさんも「政府側の話を大きく報じるのはギニアも同じ」とうなずく。
 ウクライナ出身のパウロさんは「出身国では新聞はだいたいの人が正しいと思っている」。近年は市民発信のメディアも発達してきたという。
 情報先進国の米国。ジェイソンさんは「昔より新聞の信頼度は落ちている。多くの人が双方向に情報発信できるSNSを信じていると思う」と話した。

三輪喜人(みわ・よしと)

 「ニュースはネットで」。参加者は当たり前のように答えた。ネットで手軽にタダでニュースが見られる時代。当然だと思う。一方で、情報は必要とされているともあらためて感じた。必要な情報をどう届け、買ってもらうか。模索したい。

三輪喜人(みわ・よしと) 愛知県出身。大学の卒論は「ウニの歩行」。千葉支局柏通信部。32歳。

奥野斐(おくの・あや)

 人となりを伝える情報の一つ。読者に親近感も湧く―。サンコンさんに「年齢を書くのはプライバシーに入りすぎ」と言われ、思わず反論してしまった。自分も同い年の活躍に刺激を受ける。取材で「年齢は嫌」と言われることもあるけれど、やっぱり必要と思う。

奥野斐(おくの・あや) 新潟県出身。社会部したまち支局。大学時代、留学生との国際交流団体の代表も。海外ドラマを見るのが好き。31歳。

この記事は、2015年3月8日 東京新聞に掲載されたものです。

チョウカンヌ

「チョウカンヌ」プロフィール

東京新聞の次世代研究所で生まれたキャラクター。身も心も新聞でできていて、いろんなことに興味津々。よく「顔が広いですね(面積的に)」と言われ、自分でもそこは気に入っている。夢は東京新聞の公式キャラクター。「ユウカンヌ」という名前の妹がいる。

次回のダメ出し会議は

「筆洗子にチョウカンヌ突撃インタビュー」を
お届けするわ。