一緒に紙面作りしました  日ごろ新聞を読まない若者たちが思わず読みたくなる新聞とは?
 東京新聞の若手有志でつくる「次世代研究所」はこの夏、新聞の未来を探るため、10代に人気のダンスロックバンド「DISH//」、都内の大学生を中心としたマーケティング研究グループ「ワカスタ」と議論を重ね、次世代新聞「DISH//JOURNAL」を作り上げました。読者の声を生かす紙面、書いた記者の顔が見える記事、ネットとの連動など、若者たちが導き出した次世代新聞の編集方針は偶然にも、東京新聞が目指す方向と重なりました。=まとめ役・藤本耕平さん総括


チョウカンヌ


スマホ触って 読む新聞


「東京新聞に『イケメン枠』で採用された『DISH//』の四人が次世代研究所に配属され、若者向けの新聞を作ることに!」。四月一日の本紙に載ったエープリルフール広告が、すべての始まりでした。
 ファンの声を受けてうそが本当になり、プロジェクトが正式に発足。次世代研究所からも政治部、社会部などの四人が参加し、四月から六月にかけて四回、DISH//メンバーや学生たちと理想の新聞像について議論を重ねました。
 「スマホで十分」「そもそも新聞は読まない」と否定的な意見から始まり、「書いた人がどんな人か分かれば読みたくなる」「読者も参加できたら」「読む人の好みに応じて載せる記事をカスタマイズ」「メンバーの音声ガイドを」「続報はネットで」など、アイデアが次々出ました。
 最終的には意外にも、コンパクトに正確な情報がぎゅっと詰まった昔ながらの「新聞らしさ」が求められ、記者たちも驚くやら安心するやら。写真と記事の組み合わせが違う四百パターンの表紙を作ったり、すべての記事にスマホと連動したQRコードをつけたりと、従来の新聞の型を破りながらも、新聞の良き伝統は受け継ぐ「次世代新聞」が完成しました。
 開設した公式サイトには2カ月で2万回の閲覧。寄せられたファンの声も参考にして紙面作りが進められました。

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ファンの声(公式サイト)


この企画すごくいいです! 若者文化とか世に発信できるわけじゃないですか!(埼玉県・19歳)
地方に来ていただいて、都会の大学生と田舎の大学生の交流をしてみたい。(島根県・19歳)
普段の新聞だと目立つ人しか見られませんが、この新聞では目立たなくてどこにでもいるような人も特集してほしい。(東京都・21歳)
せっかくだから、本人直筆の文章が読みたい。(栃木県・19歳)
メンバーで新聞を配達する企画があったら。配達する姿もレアなので見たいです。(熊本県・17歳)
中高生は新聞は「おじさんが読むもの」と思っているようなので、QRコードで動画サイトと連動したり、キーワードを打ち込むと特典があったりしてほしいです。(神奈川県・19歳)

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本紙記者の声


荘加卓嗣(42)社会部
率直でまじめな意見は身につまされた。
伊藤弘喜(38)経済部
読者との距離を縮めるヒントをたくさんもらえた。
山口哲人(35)政治部
全否定されたわけでなく叱咤(しった)激励を受けたみたい。

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参加学生の声


土屋貴敬(21)
これからの時代の新聞について考える時間は、とても刺激的だった。
末永 誠(20)
文章量の多い少ないよりも、大切なのは情報の充実度。
杉崎夏来(23)
ネットを利用して読者側から発信できる仕組みを考えたい。
北島 拳(23)
ネットと切り離して紙媒体だからできることを追求しないと。
小西智貴(21)
同世代の活躍に刺激されつつ、同じような価値観を持つことに親近感を感じた。

メモ DISH// 2011年、TAKUMI、MASAKI、RYUJI、To-iの男性4人により結成されたダンスロックバンド。ギターなどを演奏しながら踊るのが特徴。モデルや俳優としても活躍中。昨年、初開催した武道館単独公演のチケットは5分で完売した。グループ名にちなみ、客席に向かって紙皿を投げる演出が名物となっている。

この記事は、2016年9月7日 東京新聞に掲載されたものです。

チョウカンヌ

「チョウカンヌ」プロフィール

東京新聞の次世代研究所で生まれたキャラクター。身も心も新聞でできていて、いろんなことに興味津々。よく「顔が広いですね(面積的に)」と言われ、自分でもそこは気に入っている。夢は東京新聞の公式キャラクター。「ユウカンヌ」という名前の妹がいる。

次回は

「新聞女と東京を歩く」を
ご紹介するわ。