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東京新聞次世代研究所Web版

わたしの糧ことば特別編
 子育てする人の心の支えとなるのが「糧(かて)ことば」。必要としているのは、母親ばかりではありません。毎週水曜朝刊4面に連載中の読者投稿企画「わたしの糧ことば」の特別編第2弾(第1弾は2月16日に掲載)として、悩み多き子育てライフを楽しみながら各分野で活躍するパパ3人に聞きました。

それは、ホルモンバランスのせい

4歳男児の父・ミュージシャン土屋礼央(れお)さん(40)
子どもが生まれてから、妻がイライラすることが多くなりました。僕にとっては妻に理不尽に怒られることもしばしば。でも、子育て中の妻がイライラするのはしょうがない。まずは、そう思うことにしました。
じゃあ、それをどう僕の生活に取り入れるか。冷静になっていたときに妻が、日ごろのイライラの理由をこう言ったんです。最初は、他のせいにするんかい!と思ったけど、よく考えると良いアイデアだな、と。今ではだいぶ減りましたけど、理不尽に怒られた時に「これは、ホルモンバランスのせい」と考えれば、不思議と穏やかな気持ちになれる。妻に優しくしようと思えます。
男が子育てを頑張るにも限界がある。そこをより頑張るよりも普段子育てをしてくれている妻を楽しませ、喜ばせる。それこそが男には一番の子育ての秘訣(ひけつ)かも、って思っています。
4歳男児の父・ミュージシャン 土屋礼央(れお)さん(40) 東京都出身。アカペラグループ「RAG FAIR」メンバー。ニッポン放送「土屋礼央 レオなるど」(月-木曜午後1時~)に出演中。

親をする

1歳男児の父・社会学者田中俊之さん(41)
男性が、男性ゆえに抱える悩みや葛藤を対象にした学問、男性学を研究しています。まさに、子育て中の男性が「育児したい」と思っても、現状は男女に賃金格差があり、家計は夫の稼ぎに依存している。結果的に妻の負担が重くなる。そんな葛藤も研究対象です。
僕は出産に立ち会いましたが、正直、感動がなかった。今の方が息子に愛着があるんですよ。なぜかと考えたら、それは僕が息子と関わってきたから。オムツ替えもするし、ほぼ毎日、午後6時に帰宅して息子をお風呂に入れる。「意識を変える」なんて理念的なことより、具体的なことをする中で父親になる。そんな実感を込めた言葉です。
女性が一人何役もやっているような現状を変えるには、父親が「親をする」ことが必要。ただ、家庭だけでは解決できないので、国がもっと子育てにコストをかけるべきだと思います。
1歳男児の父・社会学者 田中俊之さん(41) 東京都出身。大正大学心理社会学部准教授。専門は男性学。近著に「男が働かない、いいじゃないか!」(講談社+α新書)など。

つながって、育てよう

大学4年男子、同1年女子の父・コピーライター、メディア戦略家
境治(さかい・おさむ)さん(54)
これは、自分の経験と取材を通して、僕がたどり着いた子育ての解です。
息子が生後半年のころ、仕事を終えて夕方家に帰ったら、妻が薄暗い寝室で電気もつけずに赤ん坊を抱いてボーッとしていたんです。「育児に疲れて精神が不安定なのかな、支えなきゃ」と焦りながらも、僕は独立したばかりで仕事の手は抜けませんでした。
そんな中、ある日を境に妻の表情が明るくなりました。公園で子育て仲間ができたのです。「そうか、仲間が必要だったのか」と気付きました。
子どもが生まれて最初に感じたのは「核家族は子育てに向いていない」ということ。近年、自主保育や共同保育の取材をする中で、それは確信に変わりました。母親が孤独に子育てをする危うさと、つながって育てる大切さを、父にも母にも周りの人にも、もっと知ってほしいと思います。
大学4年男子、同1年女子の父・コピーライター、メディア戦略家 境治(さかい・おさむ)さん(54) 福岡県出身。フリーで活動。2014年、ブログ記事「赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない。」が反響を呼んだ。

聞き手・奥野斐、今川綾音/写真・北村彰、由木直子、川上智世/紙面構成・小林麻那

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 糧ことば 人生の先輩などから言われて救われた子育てに関する言葉。共有することで、独りぼっちで悩みがちなママたちの心を少しでも軽くしたい-との願いを込め、博報堂の「リーママプロジェクト」のメンバーが名付けた。東京新聞では昨夏、読者から募集を開始。ママに限らず、子育てに関わる人なら誰でも応募いただける。

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