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わたしの糧ことば特別編
 毎日の慌ただしい子育てで、心の支えとなる「糧ことば」。本紙生活面でエッセーを連載中の3人にも、日々の育児で糧としてきた言葉がありました。毎週水曜4面の読者投稿企画「わたしの糧ことば」の特別編第3弾をお届けします。

いつかは笑い話。

大学3年、短大1年、中学3年の3姉妹の母・漫画家 高野優(ゆう)さん
 子どもが乳幼児期で大変だったとき、いつも自分に言い聞かせていた言葉です。当時は、娘3人の成長や子育ての悩みをカレンダーや手帳にメモしていました。「授乳後にゲップが出ない」と、毎日書いてある時期もありました。実際は、1年後には笑い話になり、温かい思い出に変わっていました。
 私の場合、困ったことも「漫画のネタになる」と面白がれたのもよかった。大体のことは何とかなります。ユーモアをもって子育てをやり抜きましょう。
 今、娘たちが大きくなり、朝の8時に学校へ送り出したら、次に会うのは14時間後。夜の10時です。あんなに欲しかった自分1人の時間ですが、案外ダイヤモンドのような輝きはない。お風呂でギャーギャー、食事でバタバタしていたころが、母親としては一番かっこいい時期だったんじゃないかな。(イラスト・高野さん)
大学3年、短大1年、中学3年の3姉妹の母・漫画家 高野優(ゆう)さん 北海道出身。第1、第3金曜に「思春期ブギ」を連載中。主な著書に「よっつめの約束」(主婦の友社)、「高野優の思春期ブギ」(ジャパンマシニスト社)など。

この子は、この子で大丈夫

3歳男児、1歳女児の母・コラムニスト 伊是名夏子(いぜな・なつこ)さん(35)
 35年前、私の両親が信頼できる医師にかけてもらった言葉です。私は、生まれつき骨が折れやすい骨形成不全症という障害で、診断が付くまで「1週間の命」とも言われたそうです。でも、この言葉で安心できた両親は私を過保護にはせず、可能な限り姉たちと同じように育ててくれました。
 私が妊娠、出産するまでには、病院で診察を拒否されたこともありました。パートナーや、「諦めなくていいわよ」と言ってくれる先生に出会い、2人の子を無事、出産できました。
 毎日の子育ては、常に誰かの手を借りないと回らないんです。子どもが泣いても抱っこできないし、何かこぼしてもさっと拭けない。できたら楽だろうなあ。10人のヘルパーさんが日替わりで来てくれて、一緒にやります。不安になることもあるけれど、私も両親のように子どもたちの力と存在を信じて育てています。
3歳男児、1歳女児の母・コラムニスト 伊是名夏子(いぜな・なつこ)(35) 沖縄県出身。骨の折れやすい障害で電動車椅子を使って生活する。隔週日曜朝刊に「障害者は四つ葉のクローバー」を連載中。

いくら頑張ったって、母親には勝てんぞ

高2男子の父・作家 広小路尚祈(ひろこうじ・なおき)さん(45)
 息子がまだ赤ちゃんのころ、実家でいそいそとオムツを替えたり、寝かしつけたりする僕を見て、父が言った言葉です。からかうような言い方で、僕も「楽勝」なんて返したけど、ぐずる息子を抱っこして泣きやんだ時は、父の顔を思い浮かべてニンマリしたりして。結構意識してましたね。
 父は仕事人間で、全く家のことはしなかった。共働きの母が全てやる姿に、小学生ぐらいから疑問を感じていました。ただ最近、孫をかわいがる父を見ると、本当は自分の子とも関わりたかったのかなとも思う。
 僕は米をといだり、洗濯物を取り込んだり、よく母に言われてやっていたし、家事育児に抵抗はなかった。何より息子はかわいいし、面白い。せめて、母親と同じぐらいにはなれるはずだ、と思ってやってきました。母親に勝てるかというと微妙だけど、いい線いったんじゃないかな。
高2男子の父・作家 広小路尚祈(ひろこうじ・なおき)さん(45) 愛知県出身。2007年作家デビュー。著書に「うちに帰ろう」「清とこの夜」など。第2火曜朝刊に「炊事 洗濯 家事 おやじ」を連載。

聞き手・奥野斐、今川綾音/写真・坂本亜由理、中西祥子、河口貞史

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糧ことば 広告会社・博報堂のママ社員による「リーママプロジェクト」から生まれた言葉。人生の先輩などから言われて救われたり、育児に関わり大切だと感じたりした言葉を共有し、子育てに奮闘する人の心を少しでも軽くできれば、という願いが込められている。東京新聞では昨夏、読者から募集を開始。ママに限らず、誰でも応募いただけます。

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