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  • 作品を撮る①

カメラ初心者の女優・宮﨑香蓮が、写真部の報道カメラマンに
学びながらフォトコンテストを目指す人気連載!

フォトコンに応募するような写真を撮れるようになるため、
香蓮ちゃんがレッスンを続けること早20回。
2年に渡って続いたこの連載も、実は次回で最終回を迎えます。
そこで今回は香蓮ちゃんの卒業課題として、
自分の作品作りに挑戦してもらうことにしました。
果たして、集大成となる作品は撮れるのでしょうか?
作品と呼べる写真を撮るために大切なこと。

「どうも、写真部の藤原です。
2年弱に渡って、写真についてレッスンをしてきましたが、いよいよその実力を発揮してもらうタイミングがやって参りました!」

「おはこんばんちは。もはやどこに出ても恥ずかしくないほどの
“カメラ女子”に仕上がった宮﨑香蓮です!」

「その自信はどこから湧いているのだろう…。」

「あっ!藤原さん、心の声が出ちゃってますよ!
なんかこの懐かしいやりとりも、あと1回しかできないと思うと、感慨深いものがありますね。」


さて、今回は香蓮ちゃんの作品を撮り下ろすことが目的なので、
いつものようなレッスン形式ではありません。
つまり藤原デスクのアドバイスなしの、自力のみでチャレンジしてもらいます!

「オー!マイガー! これは予想していなかった〜。」

「私、今回は単なる引率者として、横目で眺めるだけの存在です!」

とはいえ、いきなり一人で作品となるような写真を撮りなさい!
というのもかわいそうなので、
東京新聞で毎年行われているフォトコンテストの入賞作品を例に、
単なるスナップ写真と作品の違いを解説しておきましょう。


作品タイトル 『 夢幻(むげん) 』
神奈川県川崎市高津区  稲田 匡孝さん



「おお!雪降る夜の東京駅ですね。
輝く雪のなかに、浮かび上がるレトロなレンガ駅舎の姿は、まさに〝夢で見た幻景〟のような雰囲気!」

「ちなみに受賞者は当時大学生で、この構図のために大雪の夜を待ち続けること実に4年という、執念で仕上げた一枚なんだそう。」

「すごい! コンテストって、それくらいの気概で向かわないといけないんですね。香蓮、反省します…。」




作品タイトル 『真夏の命』
東京都狛江市  永瀬 篤信さん



「これは可愛い! 葉っぱを透かして浮かび上がるシルエットだと、虫の姿が苦手な人でも風情を感じられていいですね。」

「そう!被写体を直接撮影しなくても、ちゃんと被写体を通したテーマが伝わってくるでしょ? そこが大切なんです!」




作品タイトル 『春雨の後』
東京都北区  秋元 孝光さん



「水たまりを上手に活用した構図ですね。ライトアップされた風景の映り込みって、なんだか神秘的。」

「上下でシンメトリーな構図なだけでなく、門の赤と桜のピンクという同系色でおさえている点も大きなポイントだよね。」





作品タイトル 『額縁の中の黄金』
東京都文京区  木村 太亮さん




作品タイトル 『都心の紅葉』
東京都足立区  田所 俊一さん



「これは香蓮ちゃんが好きな“トンネル効果”の構図で撮られた作品ですけど、上はトンネルの先に広がる風景がメイン。下はトンネル自体が紅葉の景色という、比率が反対である対象的な作品です。」

「なるほど。トンネル効果には、こんな使い方もあるわけですね。」

「そう。どちらも秋の風景を上手に切り撮っていますけど、アプローチは真逆なんだよね。これこそ作品つくりに大切なポイントです!」




作品タイトル 『横浜の夏色』
埼玉県鴻巣市  吉田 優太さん



「おお!これまた、幻想的というかパレード的な雰囲気な作品!」

「これは露出やシャッタースピードの調整と、テクニックが求められる作品です。単なる構図による切り撮りではなくて、光を表現することに重点をおいているのだと思います!」


ここまで読まれて、この連載の読者の方は気づかれたと思います。
そう、いま出てきた作品の特長は、それぞれ別々だとしても、
これまでのレッスンで学んできたことを活かして撮られている作品だということ。

「作品として大切なのは、その写真で何を伝えようとしているのかテーマが明確なことです。訴える気持ちが定まっていなければ、他人の心に響く写真にはなりません! その上で、そのテーマをどう表現するのか?この順番で撮影していくと、軸がブレなくて練習しやすいはず!」

「具体的にはどうやって練習すればいいんですかね?」

「写真の道に近道はありません。とにかく撮りまくって、自分の表現の幅を広げていくしかないの。とりあえず、ひとつの被写体を様々な角度から撮って撮って撮りまくってみると、自分の好きな構図や撮り方というものがある程度みえてくると思いますよ。」



というわけで、香蓮ちゃんが撮りたいテーマを決めて、
様々な角度から撮りまくってみましょう!



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