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  • vol.08
  • 株式会社 亀の子束子西尾商店

女優・宮﨑香蓮が
東京を拠点とした企業をご紹介!
女優・宮﨑香蓮が、インタビューから原稿の執筆まで全てを手掛ける連載企画「大人の社会科見学」。今回は東京都北区滝野川の、創業112年を誇る企業 亀の子束子西尾商店へと足を運びました。日本の台所には欠かせない道具、亀の子束子について香蓮ちゃんと一緒に学びましょう!
香蓮お姉ちゃん、
今回はこのレトロな建物にある会社を取材してちょうだい。
わぁ 雰囲気ありますね!
この建物は大正12年に建てられたものなの。
この会社では明治40年から同じ商品を作っているのよ。
すごいロングセラーですね。
それじゃ取材してきます!
石原和幸デザイン研究所へHere we go!

明治40年に誕生した亀の子束子
発明品から日本の定番品へ

 亀の子束子(たわし)は画期的な「発明品」でした。つまり発表当初は世の中の誰にも知られていないということ...。「これはなんだ?栗のイガか?」と言われることもしばしば。最初はなかなか売れなかったそうです。
 しかし亀の子束子の生みの親である初代社長はアイディアマンでした。店先に吊るし販売していた束子の下に短冊を付けました。すると風に揺れる短冊がお客さんの目にとまり、徐々に知られるようになっていったそうです。
 明治は西洋料理が広まった時代。動物性の脂汚れを落とすには従来使われていた藁を束ねた洗浄具では不十分でした。一方、亀の子束子は繊維を針金でひねっているので、ほどける心配はなく脂ものも落ちるので売れるようになりました。
 売れるようになると次に悩まされたのは、模倣品の数々。出るたびに訴訟で対応していましたが、ある時から方針を変え新聞や雑誌に広告を出し消費者に注意を促すことにしました。
 ところでこの「亀の子束子」という名前。形も似ており、水辺に住み、縁起もいい「亀」に親しみやすさを込めて「子」を加え「亀の子束子」となったそうです。「束子」という漢字は当時の漢学者に充ててもらったものです。
 誕生以来、形も名前も変わっていません。100年以上亀のようにずっしりと着実に歩みを進めてきたんですね。近年は周年記念の際に他企業とのコラボ商品を出し、多くの人に触れてもらう機会を作っているそうです。売り方への工夫は初代社長から受け継がれているんですね。
  • 現在、販売されている亀の子束子はスリランカ産のパーム(ヤシの実)の繊維を作ったものが主流。

  • 亀の子束子の繊維の開発のきっかけになったのが棕櫚の木の皮。日本でも古くからある素材です。

  • 2014年から登場した白い束子はサイザル麻が原材料。麻と名付けられているがリュウゼツランの繊維。

  • スポンジなど他の商品の説明を受けている最中も、白い束子の感触を楽しんでいた香蓮ちゃん。

天然の素材を使い
手作業で完成する束子

 亀の子束子は、ヤシの実の繊維を使ったものが現在の主流です。厳選された繊維を使っており、ひとつの実から、束子1個分の材料がとれるかとれないか位だとか。
 天然素材のため、どうしても繊維の太さにばらつきが出てきてしまいます。そのため製造の機械化が難しく、今でも手作業(!)でひとつひとつ作っています。一人前の職人になるには3年以上かかるそうです。
 最近では「白いたわし」という商品も人気。こちらはサイザル麻の繊維を使って作られています。その名のとおり白く、ヤシの実の繊維のものと比べると柔らかい。この「白」という色は、スタイリッシュなデザインのキッチンにも馴染むようにと選ばれたもの。
 天然の素材を使い品質にかなりこだわっている亀の子束子。出荷されるまでにはとても厳しいチェックが待ち構えています。毛切れしていないかなど20項目以上の検査に合格したものしかお店に並びません。その検査も、ひとつひとつ全ての束子をチェックしているそうです。この工程が、亀の子束子の強みである「長持ちする」ことにつながるんですね。
 台所で使う束子は三ヶ月位で交換するのがおすすめだそうです。でも台所で使っていた束子も、お風呂場やトイレ、そしてベランダなど外の掃除にも活用できるはず。それだけしっかり作られています。100年以上変わらずに同じ商品を作り続けているのは、品質に自信があってこそ。今回も勉強になりました!
  • ひも付きの束子は背中を洗うのに便利。硬さの異なる4種類のバリーエションを展開している。1,485円。

  • 体用の束子の商品名は、社員の方の名前からとられたもの。一番硬いニシオくんは社長のお名前。

  • 明治、大正時代には偽物が市場に多く出回り、本物であることをアピールする広告を出していたそう。

  • 本社の古い建物はショップとして利用されている。季節によって変わるディスプレイも見どころ。

取材後記

取材後記
取材後記
 今回はまずお店にうかがい取材したのですが、店内のいたるところに亀のモチーフを飾ったおしゃれなお店でした。核家族化が進む現在、亀の子束子を使うことも家庭内で受け継がれにくくなってきたそうで、小学生や大人を対象にした「たわし作り体験」を開催し、幅広い世代の方々に知ってもらう取り組みをしているそうです。そして、体を洗うためにデザインされた束子も販売されています。取材中、手を束子でマッサージしているとなんだかポカポカに。血行が良くなる効果があるそうです。はい、そのまま買って帰りました。束子でキッチンも体も磨いていこうと思います。亀の子束子西尾商店広報部の石井淑子さん、貴重なお話ありがとうございました!
DATA

株式会社 亀の子束子西尾商店

東京本郷真砂町で西尾正左衛門商店として発足。現在の北区滝野川に移転したのは、大正12年(1923年)のこと。この本社1階では、商品の販売も行っている。本店と東京・谷中にある直営店でしか入手できない限定品もあり、たわし作り体験などイベントが開催されることも。
株式会社 亀の子束子 本店
03-3916-3231
東京都北区滝野川6-14-8
営業時間:9:00~12:00、13:00~17:00
定休日:土・日・祝日
https://www.kamenoko-tawashi.co.jp/
  • 宮﨑香蓮プロフィール
  • 宮﨑香蓮(みやざき かれん)

    1993 年 11 月 20 日生まれ。2006 年「第11回全日本国民的美少女コンテスト」演技部門賞を受賞し、女優として活動中。NHK 大河ドラマ『花燃ゆ』ではヒロインの幼馴染・入江すみ役として出演する など、いま活躍を期待される若手女優の代表格。
◾️2018年度NHK「おもてなしの基礎英語」ドラマパートレギュラー
◾️テレビ朝日「遺留捜査」滝沢綾子役レギュラー
◾️島ぜーんぶ映画祭第11回沖縄国際映画祭
 地域発信型 出品作品「BENTHOS」主演
◾️10月14日から舞台「里見八犬伝」に浜路役で出演します!
https://satomihakkenden.jp/
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