• 重松洋一(編集局校閲部に所属する新聞記者)
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    欲しい冷静さ

    編集局校閲部 重松洋一

記者のつぶやき
重松洋一(編集局校閲部に所属する新聞記者)

欲しい冷静さ

編集局校閲部 重松洋一

紙面の内容に誤りや不適切な点がないか、 点検する校閲の仕事をしています。
仕事の名前や中身が世の中に知られるようになったのは、ここ4、5年のことです。
宮木あや子さんの著書『校閲ガール』のおかげといってもよいでしょう。

その中に、ぎくっとする発言がありました。
「ダメだよー感情移入したら。冷静に校閲できなくなるでしょ」。
心酔する小説家の新作原稿を読もうとする校閲部員を登場人物がいましめる場面です。

後の説明に「校閲者が小説にのめり込んでしまうと誤植などを大量に見落とし事実確認もおろそかになる」とあります。
『校閲ガール』は出版社での話ですが、新聞校閲の人間としても人ごととはいえません。

読んで調べたつもりの原稿から一度、目を離し、ひと息ついてから見直すと確かめるべき、直すべき箇所がまだあったと気付くことがあります。
いつの間にか力が入りすぎたり、「そうだよね」と展開に引き込まれたりなどで冷静さを欠いていたのでした。

欲しいのは、大事なところは押さえながら、ほどほどに突き放して読む目です。
いつも熱くなりすぎず、冷めすぎず、淡々と目配りできる人はすごい人だと思わされます。
※執筆記者の所属は2019年12月25日時点のものです。

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